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注目企業オーリッドのビジネスモデルとは?

日本生まれのクラウドノート「KYBER」がすごい理由

2011年09月21日 15時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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高速&低価格の秘密は「スタッフ管理」

 そんな新しいビジネスモデルを作っている彼らが、最も資金を注ぎこんでいる部分はいったいどこなのか。1文字でも間違えないOCR技術を作ること? 漢字や数字を正確に分類する技術を作ること? 意外なことに、回答はまったく別角度からのものだった。

 それは、スタッフの管理機能だ。

 管理機能? と、疑問に思ってしまう。日本でスタッフの管理というと、課長や係長といったイメージが強い。退屈で、いつも胃痛に苦しんでいて、それでも企業の屋台骨になっている、それだけ“いかにも日本のサラリーマン的な仕事”という感覚がある。

 その“日本的”なところを極めることが、ベンチャーのアキレス腱というのはかなり意外な感じもする。そのなぜ? に対する星川さんの答えはこうだ。

 「ヒューマンクラウドの根幹は“人をどうやって管理するか”。そのために自動車メーカーが使っているのと同じ管理エンジンを採用しています。やっていることは製造業と同じです。1つの文節をチェックするとき、最大で7人が関わることになる。『いつ、誰に、どの仕事をしてもらえばいいか』をリアルタイムでチェックし、24時間体制で仕事を割り振ることになるんです」

 この説明を聞き、思わずなるほどとひざを打った。

コストコントロールの秘訣は管理システムの充実にあり。自動車メーカーも使っている人材管理システムを使い、24時間体制でスタッフを管理している

 恐るべきデータ納品速度の秘密は、ここにある。たしかに「ケータイスタッフ」まで雇うとなれば、センター勤務のスタッフと違って、「今は仕事に手がつけられない」という時間も増えてくる。時間が勝負となるサービスで、仕事の遅れは命とりになるだろう。

 動けるスタッフに優先的に仕事を割りあて、ビジネス全体を止めないこと。入口から出口まで業務をスムーズに流すこと。人件費によるコストをギリギリまで節減し、商品であるWebサービスの価格をギリギリまで下げること。そのために必要だったのが、1000人以上のスタッフを一括管理できる鋼鉄の“中間管理システム”だったのだ。

1つの文節をチェックするとき、最大で7人が関わるようになる。その人員をうまくコントロールするためにも、スタッフ管理部門は不可欠だった

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