Samsung独自の「Bada」についても
新製品をまとめて発表した
このようなニュースの後、Samsungは8月25日、独自の携帯電話向けOS「Bada」の最新版となる「Bada 2.0」とSDKを発表した。BadaはSamsungが2009年末に発表したOSで、フィーチャーフォンで利用してきたOSを改良してプラットフォームとしたものだ。2010年2月のMobile World Congressで、最初の端末となる「Wave」を発表したが、今回はIFAで3機種(「Wave 3」「Wave M」「Wave Y」)を披露するなど、Bada関連では久々の大発表となった(IFAでは「GALAXY Note」「GALAXY Tab 7.7」も発表している)。
Bada 2.0は、マルチタスキング/NFC/WiFi Direct/HTML5/Flash強化、音声認識など、最新のスマートフォンで必要となる機能を盛り込んだ。webOS買収の可能性がなく、国産OSにコミットしない(あるいは成果をすぐには望めない)とすれば、今後Badaが重要になってくる――タイミング的にそんなことを思わせる動きとなった。
もちろん、現時点でBadaの知名度はそれほど高くない。だが、Gartnerの最新のOSシェア調査(2011年第2四半期)によると、Badaのシェアは1.9%で前年同期の0.9%から増加している。順位としては、Android、Symbian、iOS、Research In Motionに次ぐ5位。RIMとの差は10ポイント近くあるが、現時点では6位のMicrosoft(1.6%)を上回っている。今後アプリ開発周りをどのように強化していくのかでBadaの位置づけが占えるだろう。
スマートフォンやタブレットは端末ありきの戦いではない。コンテンツ、クラウドなどのサービスが重要となり、ここではAmazonなど、これまでとは違うプレイヤーも入ってくる。SamsungはIFAで、マルチプラットフォーム対応モバイルメッセージサービス「ChatON」(RIMの「BlackBerry Messenger」などと競合するもの)を発表し、サービス強化を意識しているように見える。端末メーカーであるSamsungがサービスでどのような戦略をとるのかも、気になるところだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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