Nokiaの背中を追うには
スマートフォン市場での成長も必要
Samsungは6月に「Samsung Wave(S8500)」「Samsung Galaxy S」のスマートフォン2機種を欧州などの一部市場で発売する。この2機種はSamsungの今後のフラッグシップ端末となるものだ。スマートフォンでは出遅れていた同社だが、今年は猛攻勢をかける。戦略の中心は「Android」と「Bada」だ。ここではBadaを中心に、Samsungの戦略を見てみたい。
Samsungはシェア20%を持つ世界第2位の携帯電話メーカーだ。3位のLG(8.6%)とはすでに大差を付けており、1位のNokiaのシェアがじわじわと微減(35%)していることを考えると、近いうちにSamsungがNokiaに王手をかける可能性も出てきた(数値はGartnerの2010年第1四半期のデータより)。
携帯電話メーカーの戦略は「iPhone」登場前と後で変わっているが、Samsungの場合はタッチ端末のバリエーションは増やしたものの、スマートフォンとなると課題が残る。2009年には前年比15%増の2億2700万台を出荷したが、その大部分を占めるのがミッドレンジとローエンド。オープンOSを搭載したスマートフォンの占める比率は低く、スマートフォンではNokiaやResearch In Motion(RIM)、アップルに大きく遅れをとっている。
2010年、Samsungは前年比19%増の成長を目指しているが、成長の柱の1つにスマートフォンを据えている。ここで同社は2つの戦略をとる。1つは主要OSを網羅する全方位戦略。「Symbian OS」「Windows Mobile」「LiMo Platform」「Android」と、「webOS」「iPhone OS」「BlackBerry OS」以外のほぼすべてをカバーする格好だ。
中でもAndroidには、NTTドコモからも発売が予定されているハイエンド端末「Galaxy S」に加えて「Galaxy Apollo」。さらにはタブレット端末を用意するなど大きく注力する戦略のようだ(もっとも実際のところは「MeeGo」にも対応を明らかにしたほか、Symbianでも最新版「Symbian^3」搭載機をいち早く投入する計画なので、Androidにフォーカスと断定はできないのだが)。

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