Webサイトの制作では、クライアントや広告代理店から受領した素材や情報を使用することがあります。それらは、簡単なデータであってもクライアントの所有物であり、中には機密情報にあたるものも含まれています。
発表前の新製品の写真やスペック、広告表現やタレント写真など、いずれも管理方法を誤ると情報漏えいや著作権侵害につながったり、最終的にクライアントに損害が発生すれば損害賠償を請求されたりする恐れもあります。
素材を管理するときには、受け渡し・返却(消去)の証明を残すことと、受け渡しと素材の管理に安全を期す、という2点に気をつけなくてはなりません。
Webディレクターは、クライアントと制作現場との窓口となるため、素材の受け渡しに関わることがよくあります。素材の管理は、ディレクターの仕事の1つと言ってよいでしょう。
素材の種類と受け渡しの方法
使用する素材には、写真ならポジフィルム、紙焼き、出力データが、テキストやロゴであれば、版下用に印刷された清刷りや版下、コピーなどがあります。実物のパッケージや既存の印刷資料、商品の実物などがクライアントから提供されることもあります。
多くのクリエイティブがコンピューター上で作られることが多くなったため、最近ではデジタルデータとして受け渡しされることが増えました。しかし、どのような素材であっても、受け渡しおよび返却の証拠を残すことは必要です。
アナログメディアまたはCD、DVDなどで物理的に素材を受け取った場合は、返却用の書類を用意しておき、返却時に受領書を得る方法があります。素材が返却不要の場合は、そのことを書類で確認します。書面でのやり取りができない場合は、メールなどで必ず返却や消去を通知して、記録を残しておくようにします。
デジタルデータの受け渡し時の注意
デジタルデータは、容量が小さいファイルであればメール添付で、容量の大きな画像や版下データでもオンラインストレージサービスを利用して簡単に送れるようになりました。しかし、メールやストレージサービスは、データの漏えいとウイルスの感染という2つのリスクがあることを忘れてはいけません。
インターネットを通じてデータを受け渡しする場合は、アクセス制限などのセキュリティ対策がなされている専用サーバーを用意するか、ウイルスチェックのあるメールシステムを使いましょう。もちろん、アカウントやファイルのパスワード管理は必須です。もし、こうした方法がクライアントのセキュリティポリシーに合わない場合は、手渡しなどアナログな方法を用いるべきます。
特に重要なデータの扱いはNDA(機密保持契約)に基づくため、外注先ともきちんと契約して管理する必要があります。
著者:クロスコ
クロスコは、映像技術とコミュニケーション支援のサービスドメインを持ち、Webサイト、動画・映像などを組み合わせたクロスメディアプロモー ションを、ワンストップで実現してきました。アナログ停波後のデジタルメディアの多様化、ソーシャルメディアのコミュニケーションにも先立って対応 し、あらゆるタイプのマルチデバイス、マルチスクリーンのコンテンツの制作・開発・サービス提供を行なっています。こうした先進のノウハウにより企業の皆様にこれから必用とされる新しいコミュニケーションの形を、戦略からご提案・提供してまいります。