外注とは、会社で請けたプロジェクトの一部を外部に委託することです。プロジェクトの遂行に外注を使うことはよくあります。しかし、Web制作には、業界標準となる厳密な作業フローや工業規格のような基準はないため、外注先が社内標準と同じ作業フローや品質で制作を進めるとは限りません。
外注管理は、そうした双方の認識のズレなどによってトラブルが起きたり、品質の低下を招いたりすることのないように、外注のスキルやスケジュール、コストなどを総合的に管理することです。
発注前の注意点
プロジェクトの外注は、まず依頼先の選定から始まります。選定の際は、対応可能なスキル、成果物と価格の実績、関わった工程などの詳細など十分に把握し、必要なスキルの有無を確認することが重要です。
依頼を決定したら、提案依頼書(RPF)などで概要を伝え、対応の可否を確認した上で見積もりを依頼します。その際には、業務の範囲だけでなく工程や、必要十分な体制が取れるかどうかも確認します。
取引開始の前には、基本契約書、機密保持契約書を締結します。また、各プロジェクトの発注に際しては個別契約書を結びますが、発注書や注文請書で代用することもあります。基本契約書では著作権の帰属と締め支払いに、また個別契約書では委託範囲と締め支払いに注意して契約を締結します。締め支払いは通常基本契約書に盛り込まれていますが、プロジェクトごとに締め支払いが異なる場合があるので必ず確認しましょう。
発注以降の注意点
実際のプロジェクトの進行中には、打ち合わせや連絡・情報の伝達などが多々ありますが、議事録や課題管理表などを用いて、十分に意思の疎通が図れるように気を付けます。
課題管理表は、電話やメールでやり取りしている個々の修正や問題などの依頼や対応を表にまとめたもので、外注元が作成してサーバー上に置いておきます。外注先と共有して、双方が確認したい点や不明点、問題点などをその都度追加入力し、定期的に確認します。電話やメールと異なり、スタッフ全員で情報を共有でき、一覧性もあるため、修正や確認の漏れを防ぐことができます。
外注の進捗管理には、社内と同様にガントチャートなどを用います。安定した品質で制作されているかを確認するには、たとえば大量のコーディング作業がある場合には1ページだけ先に提出させて成果物を確認したあとで量産してもらうなどの工夫をするとよいでしょう。
自社の成果物としてクライアントに提出するものですので、納品時には成果物の品質を必ず確認しましょう。
著者:エレクス株式会社
“ソフトウェアにおける真のサービスを提供する”ことを第一の目的とし、情報技術に特化した会社として1993年に設立。システム開発、パッケージソフトウェア開発、Webサイトデザイン構築・運用業務から、最近はスマートフォン・タブレットアプリやARコンテンツ開発を展開。今後は、“CSP(Cloud Solution Provider)”として、クラウドを活用してお客様のニーズに最適なソリューションを提供し、さらなる情報化社会の発展に貢献します。