街角でノートPCを使い
印刷は印刷屋で行なうベトナムの人々
割とリッチめな学生さんら何人かと話してみると、ノートPCを持っていて、人によってはスマートフォンも持ち、Facebookを好んで利用する。市内で無料公衆無線LANスポットを開放するカフェがあり、ガラス越しに持ってきたノートPCを利用する人も見かけた。
ハノイは結構治安がいいのか、路上やバスの中でノートPCを持っているユーザーもいた。まだまだPCを持っていない人は多いのか、小規模なインターネットカフェは多数あり、夕方から夜にかけてゲームをする若者で賑わっていた。
しかし、プリンターは持たないらしい。中国同様に学生街にはタワー型PCとプリンターが数台置かれた「Photocopy」の文字が目印の印刷屋が多数あり、ノートPCユーザーも含め、バイクを店に寄せ、ヘルメットをつけたままUSBメモリーを渡す人が続々とやってくる。
PCショップでもプリンターを個人向けにアピールしておらず、文書印刷には印刷屋を利用するようだ。
ベトナムというと、ビジネス視点では「若い労働人口が多くて人件費が安く、市場としても若い消費者だらけで魅力的」と言われるが、ITライター屋の個人的視点で見れば、若い人々はもちろん、中高年もPCで何か入力作業をしたり、ネットを利用する人も見かけたことが興味深かった。
最近でこそ中国も中高年がPCを勉強し始めているが、中国ではネット黎明期の2000年代前半はまず見かけることはなかった。
中国の「山寨機」も流入
ケータイはデバイスも仕様用途もバラバラ
携帯電話ではノキアユーザーが多いが、中にはスマートフォンユーザーをちらほら見かけた。携帯電話といえば、中国の農村部向けに大ブレイクしている「山寨機」こと激安ノンブランド携帯電話も、多数の販売店や中古の携帯電話屋で多数確認できた。
中国から入ってきたであろう、iPhoneもどきも販売されていた。中流層とそれより下の層で、所持するデバイスも異なれば、仕様用途も異なるようだ。
Facebookで繋がるようなベトナム人は、ベトナムのインテリ小金持ちの標準であれ、ベトナムの標準ではないわけだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)
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