中国の南隣、人口1億人近いベトナムでGoogleと真正面から張り合うサービスがある。
名前は「coccoc」(コックコック。ノックするという意味)。ベトナム市場で、ウェブブラウザー(Chrome)と検索サービスでGoogleと競っている。
coccocといえば、まず第一にベトナム人に愛されるPC用ブラウザーソフトであり、次にベトナム人に特化した検索サービスであり、さらにはベトナム人のための地図サービスも開発している。
Alexa(ネット調査会社)によれば、coccocはGoogleやFacebook(※)を抑え、ベトナムでのナンバー1サイトとなり、またStatCounter(アクセス解析サービス)によれば、ブラウザーではFirefoxを上回り、Chromeに次ぐシェアを得ている。健闘しているのだ。
※ベトナムではFacebookはネット規制により以前は接続が不安定だったが、今は接続できる。一方で、twitterへの接続は不安定になっているベトナムで人気のcoccocを使ってみよう!
coccocを試したい人は、http://coccoc.com/にアクセスしてみよう。サブカテゴリーは、検索サイトのほか、地図サイト、計算式を入れると回答が出る計算サイト、芸能人の情報データサイトがある。
coccocの検索サイトで、日本語を入れるとGoogleに飛ぶが、ベトナム語や英語の場合はcoccocのサイトのまま、Googleとは異なる検索結果が出る。つまり、検索エンジンは異なるようだ。coccocの地図も、Googleの地図結果よりさらに充実しているように思える。
タブブラウザーのcoccocは、インターフェースが同じベトナム語版と英語版があり、日本語版Windowsにもお試し感覚でインストールできる(英語版をインストールし、日本語の設定に変更可能)。
インストールし起動すると、coccocの検索窓は中段に、よくアクセスするサイトとブックマークされたサイトのサムネイル画像が上に、ベトナムの定番サイトのアイコンが下に並ぶ。つまりcoccocのトップページは、GoogleChromeよりももう少し賑やかになった印象がある。
coccocなるものは、利用してみれば、なんとなくベトナム人に便利そうではないか、と感じることはできよう。この強さの秘密は何なのか。首都ハノイのcoccoc本社を訪ね、聞いてみることにした。
coccoc本社を直撃取材!
coccocはベトナムの会社だが、技術力はなかなかある。ベトナム産ではあるがロシアの技術も絡んでいるのだ。
ロシアでは検索サイト間の競争が激しいのだが、そのロシアに留学していたベトナム人3人が、その状況を見てベトナムでも検索サイトを作ろうと、検索に強いロシア人プログラマーと一緒に2012年に立ち上げ、2013年にブラウザーをリリースした。
そのためcoccocの本社では、ベトナム人とロシア人が一緒に開発を行なっている。そしてcoccocには日本人スタッフの小比賀(おびか)健作氏もいる。つまり、中国に続くベトナムでの爆買いを期待するなら、小比賀氏を通してcoccocで広告を出すという手は十分考えられよう。
(次ページに続く、「ブラウザーにIMEを内包 ベトナム語での素早い入力が人気に」)
この連載の記事
-
第203回
トピックス
死んだ人をAIを動かすデジタル蘇生が中国で話題! 誰もが「死せる孔明生ける仲達を走らす」時代に!? -
第202回
トピックス
停滞感があった中華スマホだが、生成AIが盛り返しのきっかけになるかも -
第201回
トピックス
ようやく高齢者にスマホが普及し始めた中国 ECで爆買い、そして詐欺のカモにされることも -
第200回
トピックス
世界で台頭する新興中国ガジェットブランド総ざらい 有名になる前に知っておきたい -
第199回
トピックス
中国の寒冷地ではEVは不人気!? スマホは大丈夫? 中国の極寒環境のIT事情 -
第198回
トピックス
世界トップのIoT機器ラインアップを抱えるシャオミ でも来年にはEVに追いやられてしまうかも!? -
第197回
トピックス
中国でiPhoneがピンチ!? すぐには消えないだろうが、脱iPhoneは進むかもしれない -
第196回
トピックス
中国でシェアマッサージチェアが大量導入され、そしてトラブルあれこれ発生 -
第195回
トピックス
中国の真面目版2ちゃんねる「天涯社区」が終了 ネット文化の変化の波に呑まれる -
第194回
トピックス
光るワイヤレスイヤホンから動画ECサイトまで、元アリババの事業部長が取り組む日本での本気ビジネス -
第193回
トピックス
中国は小学校からAI教育!? そこから育った人材がいずれは日本や世界と競争する - この連載の一覧へ