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ICONIAブランドマネージャが描くタブレット戦略

何でもできるタブレットでいいのか?──Acerに聞く

2011年07月11日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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ベーシックなタブレットだが、3DゲームもこなすA500

 ICONIA TAB A500には、NVIDIAのTegra 2が搭載されている。Tegra 2は高性能なGPU(ULP GeForce)を内蔵したデュアルコアCPUであり、メモリーや動画などの支援機能など通信機能以外のほとんどの機能を1チップに収めている。3Dゲームや動画なども快適に動作する。

プレインストールされたレースゲーム「NFSS」。加速度センサーを利用して、タブレットをハンドル代わりに操作する

 ゲームに関しては「レッツ!ゴルフ」「Need for Speed Shift(NFSS)」(レースゲーム)、「ヒーロオブスパルタ」(試用版)の3種類をプレインストール。ゲームロフトのトップHDゲームへの購入リンクも用意し、買ったらまずはゲームを楽しめる導線を用意した。

 一方動画に関しては「APPLESEED XIII」の全13話+劇場リミックス版が48時間の制限は付くが、無料視聴できるようになっている。これはミルモのコンテンツ配信プラットフォーム「ROTA2U」と動画・音楽視聴アプリ「media2U」を活用するものだ。

山下 「A500にはHDMI端子が装備されているので、本体をコントローラ代わりに活用し、大画面のテレビでプレイするのも面白いと思います。このためだけにケーブルを買うのは抵抗があるでしょうから、ケーブルも同梱しました。ファイル管理ができないので、本体にコピーはできないのですが、USBメモリーを差してその中にある画像なども楽しめます」


A500が低価格を実現できたわけ

 市場に出回っているタブレット端末は、Androidであっても5~6万円程度になる。その中で3万円台というのはかなり破格というイメージがある。一方で仕様だけみれば平均的なAndroidタブレットと遜色ない。この低価格化をどのように実現したのだろうか。

USBホスト機能を持つため、USBメモリー内に保存した画像や音楽ファイルを手軽に視聴できる。画面はDLNAクライアント機能を備えたビューアー「clear.fi」

山下 「ワールドワイドでかなりの数が出荷できるという点もひとつの理由ですが、海外モデルを同じ価格イメージで国内に持ち込むと4万9800円程度の値付けにしなければなりません。しかし、市場を広げるためにはやはり価格だろうということで、利益よりもユーザーがいくらならお金を出せるかを考えた値付けになっています。

 そのために国内では3Gモデルを用意せず、メモリーも16GBオンリーにすることで流通コストを絞りました。

 海外ではAT&TやVodafone、Telstraといったキャリア向けの製品、64GB、32GBといった大容量版もリリースしていますが、国内ではWi-Fiルーターのような製品が普及していますし、USBメモリーやマイクロSDカードも安い。クラウド上のオンラインストレージなども活用できますから、そこは割り切ってもいいだろうという判断です」

付属ソフトのひとつ「PhotoBrowser 3D」。ぐりぐりと動くGUIが快感。これもTegra2の威力である

 タブレット市場は黎明期である。市場はiPadが独走という状況で、これにサムスンのような海外企業が追い討ちをかける形になっている。大画面のタブレットを意識した、Andorid 3.0が登場したという背景もあり、国内では10.1型の製品が増加傾向にあるが、エイサーとしては片手で持てる7型の製品など製品ラインの拡充も視野に入れているそうだ。

Social Jogger。TwitterやFacebookのコメントが分かりやすいUIでスピーディーに閲覧できる

山下 「今回はAndroid 3.0で出していますが、7月下旬にはAndroid 3.1のOTA配信も計画しています。秋口にはAndroid 3.2が登場しますから、7型の製品の選択肢も増えてくるのではないでしょうか。現在の市場はキャリアとの連携でビジネスが進んでいますが、エイサーは量販店にフォーカスした戦略です。販売チャネルの違いは、ユーザーに不要なコストを負わせないという意味で、差別化要因にもなると考えています」

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