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ICONIAブランドマネージャが描くタブレット戦略

何でもできるタブレットでいいのか?──Acerに聞く

2011年07月11日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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コンテンツ・アプリの充実が市場を広げる

 同時に製品企画に関してもコンテンツを主体とした戦略を煮詰めているという。

山下 「Andoroid端末は自由と言われますが、OS、ハード、CPUなどの選択肢はGoogleの仕様に沿ったものを選択する形になるので、大きく差別化することはできません。やはりこれからのタブレットに重要になるのはコンテンツプロバイダーとの協業ではないでしょうか。その意味でもタブレットは何でもできるではなく、よりコンテンツを楽しめるという意味での訴求をしていきたいと考えています」

 ICONIAシリーズでは、5本指でタッチすると現れるランチャー機能「TouchBrouwser」などエイサー共通の取り組みのほかに、日本市場に特化したアプリケーションの搭載にも積極的に取り組んでいる。同梱ソフトを含めたローカライズはパソコンでは中々できなかった部分だというが、Android製品では積極的に進めて行く意向のようだ。

 今回も海外版の発売から2ヵ月という短い時間の中で、ゲームや動画、そして日本語入力ソフトの「Simeji」などを盛り込んだ。動画やゲームで楽しみ、徐々に「何でもできるタブレット」の魅力に気付いてもらいたいと山下氏は話す。


分かりやすいタブレットというコンセプト

 確かに、画面が大きくて使いやすいタブレットの魅力をどう伝えるかという点には各メーカーが苦慮しているように感じる。汎用性の高さや機能の豊富さがアピールされる一方で、タブレットの利用シーンやメリットの提案が不十分であることは山下氏の指摘の通りだ。

 モバイル端末の開発ではさまざまなトレードオフの中で、何を生かし、何を捨てるかという割り切りのよさが問われるという部分がある。その意味ではエイサーのAndroidタブレットには、筋の通ったコンセプトが感じられた。スレートPCのW500同様、狙い通りの売れ方をしているという点にもうなづけるというのが、取材を終えた感想である。

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