無線LANの接続性テストなどを行なっているWi-Fi Allianceは、最新動向を説明するプレスミーティングを開催した。新たに公衆無線LANの相互接続性を認定する「Wi-Fi CERTIFIED Hotspot」を投入することが明らかにされた。
スマートフォンの激増で
公衆無線LANの投資が拡大
ミーティングではWi-Fi Allianceのマーケティングディレクターであるケリー・デイヴィス・フェルナー氏が、現状と新プログラムについて説明した。
Wi-Fi Allianceは、家電やコンピューター、ゲーム、携帯電話などのメーカーを中心に400社を超えるメンバー企業で構成された非営利業界団体で、2000年から無線LANの相互接続認定を行なう「Wi-Fi CERTIFIEDプログラム」を推進してきた。日本は74社を超えるメンバー企業、2箇所の認定テストラボがあるという。4月にはWi-Fi CERTIFIEDの認定数が1万を超えたことが発表された。
昨今はIEEE802.11nを認定するWi-Fi CERTIFIED nのほか、デバイス同士の直接接続をサポートするWi-Fi Directの認定プログラムもスタートした。そして、現在策定中なのが、公衆無線LAN接続を認定する「Wi-Fi CERTIFIED Hotspotプログラム」というプログラムになる。
フェルナー氏はスマートフォンが激増し、音声よりもデータの伝送容量が拡大したきたという現状を紹介。通信事業者は3Gのネットワークの負荷を減らすため、データ通信を公衆無線LANにオフロードする必要性が出てきているという。こうした公衆無線LANの増加に対し、Wi-Fi CERTIFIED Hotspotプログラムでは、これまで各社でばらばらだった公衆無線LANのプロビジョニングや認証、セキュリティ設定、ネットワーク選択などを標準化し、デバイスとアクセスポイント(AP)自体への認定を行なうという。プログラムは現在技術仕様を定義中で、2012年の中頃に認定テストをリリースする予定だ。
今後展開される予定のプログラムとしては、ワイヤレスでのディスプレイ接続を行なうWi-Fi Displayのプログラムで、2012年の上半期にリリースされる予定となっている。また、5GHz帯を用いて最大1Gbpsというスループットを実現するIEEE802.11acや、60GHz帯で最大7Gbpsのスループットを実現するIEEE802.11adなどに対するプログラムも2012年下半期にリリースされる予定とのこと。