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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2011第4回

知ったかできるパーツ基礎知識【ケース/電源/クーラー編】

2011年04月16日 12時00分更新

文● 池座 優里

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イマドキの電源ユニット事情

 さて、PCケース選びの説明が終わったところで、次に電源ユニットへと話題を移していきたい。
 もともと、自作が始まった頃には電源ユニットは単体での販売はほとんどなく、PCケースに標準で搭載されているものを使っていた。そういった付属電源には、(現在の電源基準に照らし合わせると)得てして粗悪な製品も多く、“オマケ”程度の製品がほとんどだった。しかし、当時はそれほど消費電力の大きいパーツもなく、そんな電源でも間に合っていたというのが実情だ。
 ところが、PCの性能が上がるにつれて消費電力は増え、さらにパーツが多様化したこともあり、汎用的な電源を付属するのは難しくなってしまった。そんなこともあり、最近の日本市場ではケースと電源ユニットは別売りが基本となっている。

ほとんどのショップで、電源コーナーとPCケースコーナーは別々に分かれている。パーツ構成によって必要となる電力量が異なるため、電源は自分で納得のいく製品を買う時代だ

電源効率は確実に向上!
遂に80PLUS PLATINUM認証電源が登場

 最近の電源ユニットのトレンドとして「80PLUS認証」は外せない。当初は「80PLUS(スタンダード)」や「BRONZE」認証の電源も比較的高価だったが、最近では5000円前後の安価なモデルが多く登場している。
 2010年にはメーカー各社から「GOLD」認証電源が数え切れないほど発売された。それによりGOLD認証電源の価格も下がってきており、500Wで1万2000円前後、300Wなら9000円弱と、かなりお買い得なモデルも見かけるようになっている。
 さらに2011年に入り、負荷50%時で92%の変換効率を誇る「PLATINUM」認証の製品も登場している。

比較的低出力ながらGOLD認証を取得したENERMAX製「EPG500AWT」(500W)と「EPG600AWT」(600W)。一般的な構成ならこの程度の容量で十分実用的だ。価格も500Wモデルで1万2000円前後、600Wモデルで14000円前後とGOLD認証製品としては安価に設定されている
こちらは300Wとさらに低出力なHuntKey製「絢風 300 -AYAKAZE300-」。80PLUS GOLD認証を取得しながら低容量を実現した製品で、かなりの人気モデルとなり一時は完売続出。今年は他社からも低容量なGOLD電源が多数発売されることだろう
国内で始めて「80PLUS PLATINUM認証」を取得したSuperFlower製「SF-550P14PE」。箱には「80PLUS PLATINUM」のロゴが光る

 それでは「80PLUS認証」を今一度確認しておこう。80PLUS認証とは「80PLUSプログラム」(http://www.80plus.org)が提唱する省電力化プログラムで、これまで各電源ユニットベンダーが独自に発表していた電源効率を、検査機関が審査して認証するようになったもの。これにより、ユーザーはベンダーの枠を超え、同一基準で電源効率を判断できるようになったのだ。
 なお「80PLUS認証」のランクは下から「80PLUS」、「80PLUS BRONZE」、「80PLUS SILVER」、「80PLUS GOLD」、「80PLUS PLATINUM」の計5つに区分けされている。

80PLUS認証ランクと変換効率の違い
負荷率 80PLUS 80PLUS BRONZE 80PLUS SILVER 80PLUS GOLD 80PLUS PLATINUM
負荷20%のとき80%82%85%87%90%
負荷50%のとき80%85%88%90%92%
負荷100%のとき80%82%85%87%89%

 変換効率が高くなれば、電力のロスが少なくなり消費電力は削減される。さらに熱になる電力が減るため発熱そのものも減らすことができる。結果として、PCの熱源の一つを抑えることが可能になり、PC全体として考えた場合にもメリットは大きい。

出力500Wの電源を、ファンを停止させた状態で10分間通電した時の内部温度の違い。写真左が「80PLUS」認証を取得した電源、写真右が非認証の電源。非認証電源のほうがかなり熱くなっていることが分かる

 ただし、GOLDやPLATINUMといった上位ランクを取得する場合、電源ユニットの設計だけでなく、構成パーツの品質にも細心の配慮をする必要がある。その分は当然コスト(価格)に跳ね返ってくるわけで、スタンダードやBRONZEクラスと比べるとかなり割高になるのは仕方のないところだろう。
 とはいえ、スタンダードやBRONZEでも80%を超える高い電源効率となっている。予算や構成パーツを考慮し、自分のPCに合った電源を選択するといい。

実売価格6000円の安価な80PLUS BRONZE認証電源「剛力3ノーマル」

最大電力だけでなく12Vの出力も重要

 電源ユニットを選ぶ際に多くのユーザーは500Wや600Wといった総電源容量を元に選択することが多いのではないだろうか?
 しかし電源ユニットには、3.3V、5V、12V、-12V、+5VSBといった複数の電圧ラインが存在しており、各電圧ラインに規定の容量が決まっている。最近のCPUやビデオカードは主に12Vを利用するため、この電源容量が不足すると総容量は足りているにも関わらずPCが不安定になることがある。
 ちなみに、2年ほど前までは12Vを複数ラインに分けて負荷を分散する方式の電源が多かったが、最近では12Vをシングルレーンにまとめて高出力化した製品が登場している。特にハイエンドのビデオカードを使う場合はシングルレーンで高出力の製品を選択すると安心だ。

Corsair製1200W電源「CMPSU-1200AXJP」。12Vはシングルレーンで最大100.4Aまで対応する

電源ユニットのサイズも確認しておこう

 ATX電源は、規格でその大きさが150×140×86mmと決められているが、最近では規格外の電源も増えている。特に大容量の電源ユニットでは大型の製品が多く、PCケースによってはドライブベイなどと干渉して収まらないことがある。大容量の電源ユニットを購入する際には必ずサイズ確認しておきたい。

Thermaltake製「Toughpower 1200W」。1200Wと高い出力を誇るが160×200×86mmと全体的にかなり大型なので注意が必要だ左はANTECの「CP-850」、右がATX規格の電源。高さが大きく異なるのがわかる

 一方で、奥行きを短くした電源ユニットも発売されている。Micro ATXサイズなど小型ケースで使用する場合や、ケース内部の空間を広く取りたい場合に力を発揮するだろう。

80PLUS BRONZE認証を取得した「剛力短2プラグイン」シリーズ。サイズは150×123×86mmと奥行きが約17mm短くなっている

ケーブルはプラグインタイプがおすすめ

 最後にケーブルについても解説しておこう。現在発売されている電源ユニットの多くは、ケーブルが着脱できる“プラグインタイプ”が採用されている。発売当初はノイズ問題などのマイナス点を懸念する声があったものだが、今ではラインナップの殆どが着脱式となっていることを考えると、ユーザー受けが良いということだろう。

現在主流となっているプラグインタイプの電源ユニット。必要に応じてケーブルを着脱できるので、取り回しが容易なうえ、エアフローも確保できる

 もちろん、不要なケーブルを取り外すことでケース内の取り回しが容易になり、エアフローも確保できるなどプラグインタイプのメリットは大きい。また、非プラグインタイプの製品と比べてもほとんど価格差がないことを考えるとプラグインタイプ製品がおすすめとなる。
 ただし、ケーブルの本数が少なくなっても、中にはケーブル自体が非常に硬い製品があり、ケース内配線に苦労することがある。せっかく選んだプラグインタイプでも硬いケーブルではメリットは半減してしまうため注意が必要だ。ちなみに、メーカーもこの点については気が付いているようで、フラットケーブルを採用した製品も登場している。

プラグインケーブルにケーブルが柔らかく取り回しは容易なフラットタイプを採用するメーカーも増えている

(次ページへ続く)

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