イマドキのCPUクーラー選び
最後にCPUクーラーについても軽く触れておきたい。CPUクーラーは各ベンダーが冷却性能向上のため試行錯誤した結果、形状/材質/価格とも多種多様で定番といえる製品がないのが現状だ。
さらに、製品の入れ替わりも激しく、新製品が発売されては消えていく状況の中で、どのクーラーを購入すればいいのか判断するのは非常に難しい。より高い冷却能力を求めて交換しているうちにいつの間にかクーラーだらけになったユーザーも多いのではないだろうか。
そこでここではCPUクーラー選ぶ際に重要なポイントについて紹介していきたい。なお、CPUクーラー個別の性能については「2010年CPUクーラー最強王者決定戦」に詳しいのでこちらも参照していただきたい。
トップフローとサイドフロー
CPUクーラーにはファンの風を上から吹き付ける「トップフロータイプ」と横方向に風をながす「サイドフロータイプ」の2種類がある。リテールボックスに付属する純正クーラーはIntel、AMDともごく一部の製品を抜かせば「トップフロータイプ」を採用している。
トップフロータイプはCPUの冷却に加えてCPU周辺のパーツも冷却できるという面で優れた方式だ。さらに、幅の狭いスリム型PCケースや、Mini-ITXクラスのコンパクトPCケースでは高さに制限があるため、必然的に「トップフロータイプ」を使う必要がある。
一方でサイドフローに比べてCPU周辺のコンデンサやメモリと干渉しやすく、あまり大きくなると取付け自体が困難になるなどの問題もある。
現在主流の「サイドフロータイプ」は、CPUコアに接触するベース部と放熱フィンから構成され、ヒートパイプによってベース部の熱を放熱フィンへ移動して冷却する仕組み。さらにヒートパイプを使うことで、放熱フィンを高い位置にマウントできるため、CPU周りのコンデンサ類やメモリなどへの物理的干渉を気にすることなく放熱フィンの大型化と大口径ファンを搭載することができる。そのため、特に高冷却モデルの多くはサイドフローを採用した製品が多くなっている。
高さに問題がないのなら種類も豊富で、静音かつ高い冷却性能を実現したモデルが多いサイドフロータイプの製品がおすすめだ。
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