タブレットにおいてAppleはいいライバル
サイズのバリエーションがこれからのポイント
――タブレットではAndroid一本で進めるのでしょうか? タブレットは新しい市場で、現時点では「iPad」が独占している状態ですが、どうやってシェア拡大を図る計画ですか?
Badaでタブレット端末を作れないこともないですが、エコシステムの点から現時点ではAndroidが最善だと考えています。
(Appleは)いい競争相手ですね。われわれはメーカーなので、差別化できる優れた製品を開発していきます。どのメーカーもAndroidを使っており(Androidの)市場が広がっているので、まずはその中でナンバー1を目指しています――それはブランドと製品の両方で、です。現在Androidタブレットではわれわれはシェア1位ですが、これからものすごい勢いで他社さんから出てくると予想しています。ここでシェアをとることを考えています。
GALAXY S IIとタブレットとの連携を図るようなBtoBソリューションも用意しています。これも差別化になってくると思います。基本的にOSが同じなので、相乗効果を出すことは容易です。
――スマートフォンでかなりのことができるようになり、一方でユーザーの多くがノートPCも持っている中、Samsungとしてはタブレットをどのように使うものと提案していくのでしょうか?
現在の感触として、ユーザー側はまだタブレットを受け入れていないと感じています。
最終的には、PCレスでタブレットだけで全部のことができるような世代が来るのではないかと思っています。Appleも同じ考えのように見えます。
それには、1つの例としてサイズが重要になると思います。映画を観るときは10型以上がいいし、携帯性に優れているのは7型かそれ以下でしょう。用途に合わせてサイズも異なると思います。サイズを変えることは(開発面では)容易なので、そういった展開も考えています。他社もさまざまなサイズのものを出してくるのではないでしょうか。
――タブレット端末はMWCで「GALAXY Tab 10.1」を発表しましたが、年内に新機種を発表する計画は? 日本市場はどうでしょうか?
GALAXY Tab 10.1の反応を見ながらですね。日本市場でも、もちろん提供したいです。
欧米で認知が広がったSamsungのブランドを
日本、新興国にも広げていきたい
――Androidは次々にバージョンが出てきますが、対応は大変なのでしょうか?
大変ですね。私自身はエンジニアではありませんが、開発側は大変なようです。OSのバージョンアップが早く、市場に出ている製品をバージョンアップする必要がありますが、これが大変です。市場にはバージョンアップができていない製品がたくさんあると思います。
――市場シェアでは、Nokiaとの差が縮まってきました。今回のNokiaとMicrosoftの提携をどう見ていますか? 今年はトップを、といったような目標が社内にあるのでしょうか?
Nokiaのことについて、われわれがコメントすることはありません。トップを狙うというより、とにかくブランド力をつけること。これにフォーカスしています。
欧米ではブランドとして認知が広がったと思うので、今後は市場が大きい新興国も開拓していきたい。もちろん日本もこれからだと思っています。GALAXYでかなりブランド認知が上がったと思っていますが、もっと広めていきたいですね。
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