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山谷剛史の「アジアIT小話」第12回

2012年の中国コンシューマーIT業界はどうなる?

2012年01月10日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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オンラインでの価格競争が勃発
その裏でスマートフォンやタブレットが売れている!?

 昨年もPCがよく売れた。調査会社IDCによれば、2011年の中国でのPC出荷台数は7240万台と米国の7340万台に迫り、2012年には米国市場を抜き去るとしている。

 PCのトレンドではSandy BridgeのノートPCが今年登場したばかりにも関わらず、10月の国慶節商戦には3500元(約4万3000円)、年末商戦には3000元(約3万5000円)を割り込み、PC関連の話題をさらっていった。

リアルショップもネットに負けじと値段が安くなったが1元でも安く買おうとする客は戻らない

 とはいえ、筆者がいる内陸の都市ですら、すでにPCは必要な家庭に届いた感があり、PCパーツショップが多く入る電脳街に在りし日の活気はない。さらに周辺の農村部の町々にPCや家電が普及していくと言われているが、そうした町をいくつか訪問した限りでは、活況を呈しているようにも見えない。

 「ラオックス」や「パイオニア」のテレビブランド買収でも話題となった「蘇寧電器」や「国美電器」などの家電量販店は進出していて、ちょろちょろと人が入っている程度だ。

 脱線するが、去年個人的に一番驚いたのはベトナム・ホーチミンシティの元気すぎる家電量販店であり、電脳街であった。以前当連載でベトナムの携帯電話・スマートフォン事情を紹介したが、PC売り場の熱気はそれ以上だった。

家電販売サイトの広告 家電販売サイトの広告

 それでも蘇寧電器は沈まずに頑張っている。オンラインショッピングサイト「蘇寧易購」に本腰を入れ、オンラインでは家電だけでなく書籍にも事業を拡大し、企業対個人のオンラインショッピングサイトとしてユニークビューアーベースで上位に入った。デジタル製品は真っ先にリアルで売れなくなり、オンラインでの価格競争に突入したのである。

オンラインショッピングサイトのデジタル製品市場規模 オンラインショッピングサイトのデジタル製品市場規模

 そこで統計を見てみると、確かにオンラインショッピングサイトでの販売額は右肩上がりだったが、7月~9月には初めて販売額が下がる結果となっている(易観国際:Analysys International調べ)。

 ただ、筆者が肌で感じた印象としては、購入意欲に歯止めがかかっているとは到底思えない。売れているのにトータルの市場規模が下がっている、これは単価がノートPCより安い、スマートフォンやタブレットを購入していると考えると納得できる。

スマートフォンユーザーは都市部でよく見るようになった スマートフォンユーザーは都市部でよく見るようになった

 実際、去年は年始にSymbian OS採用のNokia製QWERTYキーボード搭載スマートフォンが売れたと思いきや、年の後半はスマートフォンといえばAndroid搭載のものばかりを街中で見るようになった。

「1399元でAndroidスマートフォン+3Gの1399元通話料」 「1399元でAndroidスマートフォン+3Gの1399元通話料」

 スマートフォンほどではないが、Android搭載タブレットを持っているユーザーも見かけるようになった。これにはオンラインショッピングサイトを中心に売れていることに加え、中国移動(ChinaMobile)をはじめ各キャリアが「2年縛りプランで中国メーカー製Androidスマートフォンを激安価格で販売している」ことも影響していると思われる。

2011年Q3までのタブレット販売台数 2011年Q3までの電子ブックリーダー販売台数
2011年Q3までのタブレット販売台数2011年Q3までの電子ブックリーダー販売台数

 昨年の年始から9月までのタブレット販売台数は右肩上がりの405万台。一方で電子ブックリーダーは値段は下落しているものの人気はなく、販売台数は四半期ごとに微減し、91万台(いずれも易観国際調べ)となっている。

2011年Q3までのモバイルインターネットユーザー数 2011年Q3までのモバイルインターネットユーザー数

 2010年後半(2億1000万人)からモバイルインターネットユーザーは倍増し、9月末の段階で4億人に達した。今年は3G利用者が1億ユーザーを突破。つまり大多数は「屋外でGSM+屋内で無線LAN」の利用が一般的だが、今年はキャリア各社の通信費改定により3G利用者がぐっと増えるかもしれない。

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