ソーシャルと検索、どちらか一方ではだめ
── 巷では、ソーシャルが検索を凌駕する(置き換わる)といった意見もみられますが、その両方を活かしていくということですね?
森川 インターネットのベースになるものはソーシャルであるという認識ではいます、ただ、その上で便利なモノは「検索」であり、それが重要であると考えています。入力枠に知りたい事柄を入力すると、適切な答えが返ってくる、という世界は引き続き重要です。
検索システムの歴史を振り返ってみても、もともとヤフーがはじめたように、サーファーと呼ばれる人たちが、ディレクトリーを人力で作り上げていったのがその起源です。ウェブの情報量が増え、限界が見えてきたところに、グーグルのページランクが颯爽と登場した、というのがこの10年の流れです。そして、ここにはもう一度パラダイムシフトが必要で、人手を介したキュレーションが必要になってくると考えます。
人と人がつながっているソーシャルネットワークの中で、分断された情報同士が再度つながり、人と情報もつながっていく。まだ理想とするところの20%くらいだととらえていますが、引き続きプラットフォームを整備していきます。
もう一つぼくたちはゲームのサービスも抱えています。インターネットの楽しさはインタラクションであり、それを突き詰めたものがゲームだととらえているんですね。いわゆるガラケーの携帯ゲームでは他社さんが先行していますが、スマートフォン対応に特化して開発を進めています。来るべきスマートフォン時代には優位に立ちたいと考えています。
つまり、インターネットにおいて便利な「検索」と、楽しい「ゲーム」を、ソーシャルを使ってその価値を最大化していきたいというのが、僕たちの基本戦略です。「検索は(Googleのような)王者に任せてしまって、ソーシャルの分野に特化しては?」というアドバイスをいただくこともあるのですが、これまでお話してきたように、両方にノウハウとデータの蓄積を持ち、開発も行えるというのが我々の強みであり、検索を捨てることはありえません。
世の中もそんな方向に動き始めています。できるだけ早くそこに適したサービスを提供していきたいですね。
