アプリケーションの購入は「ワンクリック」でOK
使ってみた感想だが、とにかくアプリケーションを起動するまでの流れがスムーズ。ソフトのダウンロードは、画面左上のアプリケーションアイコンの下、「無料」または「○円 購入する」ボタンをワンクリックするだけで開始され、アプリケーションアイコンがDock領域へ移動するアニメーションのあと、プログレスバーでダウンロードの状況が表示され、完了後にはそのままDockに登録される。
アプリケーションのインストールとDockへのアイコン登録まですべてが自動処理され、すぐにアプリケーションを使うことができるのは快適だ。
ダウンロード開始前にはサインインが必要で、アカウントにはApple IDを利用する。iTunes Store/App Storeで利用しているものをそのまま使えるので、多くのユーザーはクレジットカードを登録し直す手間がない(iTunes Card、ギフトカードも利用可能)。App Storeの利用経験者であれば、ここまで抵抗なく進むはずだ。
iTunes Store/App Storeとの違いがあるとすれば、価格帯だろう。今回初めてバラ売りされる「iPhoto '11」や「Keynote」(それぞれ1700円)はともかく、パッケージの形で販売されていたアプリケーションは従来との価格の兼ね合いもあるのか、1万円を超すものも少なからず存在する。
だからこそ、ワンクリックはクセモノだ。サインインさえ完了していれば、購入手続きの手間なくダウンロードを開始できるのは便利だが、ともすれば出費が嵩みそう。ワンクリックのパテントを有するAmazonですら、ワンクリック以外の購入方法を提示しているが、”買い物カゴ”の概念がないMac App Storeにはワンクリック購入以外選択肢がない。ワンクリックを無効化するオプションも見当たらなかった。
ところで、アプリケーションの価格は米ドルが基準と推定されるが、提示される円ベースの価格は現在の為替レートをそのまま適用したものでないことは留意しておきたい。
たとえば、日本のMac App StoreでiPhoto '11と「iMovie '11」は1700円だが、画面右下のボタンで米国のサイトに切り替えたところ、14.99ドル(1ドル83円換算で約1244円)という数値が現われた。クレジットカードでの決済はドル建てでも問題ないうえ、開発者への支払いは基本的にドル建てという事実を合わせると、腑に落ちないユーザーも多いのではなかろうか。確かに邦貨での表示は分かりやすいが、App Storeを含めて改善の余地はありそうだ。