ディック・トレイシーの腕時計を彷彿とさせる、究極の「腕時計型ガジェット」。筆者は、他人の作ったモノを買うだけではなく、自分でもそんな製品を生みだそうと何度か悪戦苦闘したことがあった。それ故、国の内外を問わず、ポケットに入ったり腕に装着したりするガジェットは、すべて、誰よりも早く衝動買いしてきたつもりだった。
Android端末向けの腕時計型クライアント「LiveView」
しかし、Sony Ericssonの腕時計型ガジェット「LiveView」は、初動情報獲得捜査が大きく出遅れたアイテムだった。スピードで乗り遅れた分、嫁ぎ先の当てもないまま2個も海外より購入してしまった。
過去に筆者が購入した、身に付けるタイプの小型情報表示アイテムとしては、マイクロソフトの「Microsoft SPOT」、ノキアの「Nokia Medallion」に続く”三度目の正直”となるガジェットだ。新製品が現われては消え、また次が登場するというこの世界。やっぱり懲りない楽しい人々が根強くいるようだ。
LiveViewは、Android端末とBluetoothで接続し情報を表示するというもので、ケータイ上の情報を受信して表示するシチズン製腕時計「i:VIRT」(アイ:ヴァート)シリーズとよく似ている。LiveViewも襟やポケットにクリップしたり、腕時計のように手首に装着すべく、オプションパーツが付属する。
LiveViewには、上辺の左右角にクリック感のあるハードウェアボタンが用意されている。左側が電源スイッチとなっており、右側はメニュー表示や機能の選択が可能で、長押しでBluetooth接続のリクエストなどを行なえる。1.3型の小さなTFTタッチ液晶は、液晶額縁の四辺の中央辺りに軽く指先で触れることで、表示画面をスクロールさせることが可能だ。
本体下側のmicroUSB経由で充電を行ない、親機にしたいAndroid端末とBluetooth経由でペアリングする。筆者は、音声通話機能は付いているが、決して普通のポケットには入らない「GALAXY Tab」を親機にして、常用SNS系コンテンツの表示、Gmailの着信内容の表示などを目的にLiveViewとの養子縁組を行なった。
LiveViewを単なるデジタルウォッチとして終わらせないためには、親機である「GALAXY Tab」にAndroidマーケットから無料の「LiveViewアプリケーション」をダウンロードして導入する必要がある。このアプリは、親機に着信した電話やメール、TwitterやFacebookなどのSNSメッセージ、RSS配信されてくるニュースなどを、あらかじめ決めた時間ごとにLiveView宛てに無線配信してくれる。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
(次ページへ続く)
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