PCの作業をしなががらポテチを食す――椅子から半径1.5mを自らのサンクチュアリとする私のような人種にとっては至極当たり前で、ありふれた日常のいち風景である。そんなユーザーから賞賛と笑い、そして「そんな商品を出してくるのかっ!」とアグレッシブな企業精神を賛美されたタカラトミーのポテチ専用小型マジックハンド「ポテチの手」に後継モデルが登場したという。その名も「ポップコーンの手」! 対象物が平面で構成されているポテチから、不定形のポップコーンに変更した製品の使い勝手はいかがなものか、検証してみよう。
ポテチからポップコーンへ
一体なにがどう変わったのか?
ここで改めて説明するのは野暮ってものであるが、一応「~の手」シリーズの説明をしておこう。このシリーズ、食す際に手が汚れてしまうスナック菓子を、小型のマジックハンドを利用することで、手の汚れフリーで楽しもうというコンセプトの製品である。第一弾は前述のポテチ専用モデル「ポテチの手」(製品情報)。そして今回紹介するのが第2弾である「ポップコーンの手」である。
簡単にスペックを見ていこう。サイズは40×180×40㎜と従来モデルとは変わらず。つまむ部分にはCSS(Celebrity Stand System:セレブリティースタンド機構)と呼ばれる人の手でいうところの小指部分が稼働し、棒状の本体を机などの平面上で転がってしまわないようにできる機能が搭載されている。
またTGS(Tough Grip System)と呼ばれる適正握力補正機構でポップコーンを1つずつしっかりと摘むことが可能。
そのほか目立つ点では、従来モデルの「ポテチの手」に搭載されていたFECS(Finger Easy Cleaning System:疑似指先クリーニング機構)に代えて、新たにTUS(Tension Up System:気分向上指パッチン機構)を搭載。フィンガースナップを楽しめるようになっている。
下にそのTUSの動作の様子を動画で撮影してみたので、まずは見てほしい。
TUS(Tension Up System:気分向上指パッチン機構)の様子
フィンガースナップを模した指の動きとともに、パチンという音が鳴っているのがよーく分かるだろう。1人で悦にいる以外にも、ホームパーティなど友人が集まっているような場所で披露すれば、一躍話題の中心になることも可能だ。また、左右の手に1つずつ持てば、まさにポール牧にもなりきれる! 30~40代以上をターゲットにした宴会芸用製品としても注目だろう。
さて、細部に目を向けてみよう。「ポップコーンの手」を従来モデルの「ポテチの手」と比べてみるといったいどのような差があるのだろうか? 普通に考えてみれば、平面のものをものを持つ「ポテチの手」に対して、極めて歪な物体であるポップコーンを摘むことを念頭に置いて設計されているのだから、そういった工夫がされているということは容易に想像はつく。が、製品を一見しただけではそうは大差を感じられない。
まず肝心要である指先部分を眺めて見ると、従来の「ポテチの手」に比べ、物体に接触する指の部分の面積が約2/3ほどになっているのがわかる。また「ポテチの手」の指先は、物体を挟んだ際にクロス配置になるように片側2個ずつ、計4つの突起の存在が確認できるのに対し、「ポップコーンの手」では突起が1個ずつ、計2個用意されている。平面に近いものから歪な物体に対象を変えたことにより、より「点」で支える方向にシフトしているのである。
ということでこの製品、構造上、筆者のような5~10個を鷲掴みにして一気に口に放り込むといった 下品な食べ方 豪快な食べ方はできないが、1個ずつ食す形にすれば、直に触ってしまうと微妙な油で指を汚してしまうという不快な出来事から解放されるのである。
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