デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、電子看板のこと。映画館やホテル、空港などで、液晶やプロジェクターで広告を写しているあれだ。コンビニのレジに付いているディスプレイは誰でも見たことがあるだろう。本格的なデジタルサイネージは非常に高価なので、小規模な店舗では手を出しにくい。そこで、iPadを活用してみよう(連載目次はこちら)。
iPadは優れたデジタルサイネージ端末
iPadの画面は9.7型なので、ショーウィンドウに置いて通行人に見せるような使い方は難しい。そもそも盗難防止の機構がなく、サードパーティのアイテムも揃っていないので、店員が目の届くところでしか運用できない。しかし、中小規模の店舗や使ってもらうスペースを限定するなら、優れたデジタルサイネージ端末として活用できる。
スタンドに立てかけて、静止画のスライドショーや動画を再生すれば注目を集められる。すでに多数のスタンドが発売されており、スタイリッシュな「BookArc for iPad」(4980円)やシンプルな「MR-IPADST1」(2394円)などがオススメ。壁掛けできるキットも発売されている。
表示するコンテンツとしては、店舗内の案内をしたり、新製品を紹介が定番。セレクトショップなら海外で使われている事例を見せたり、スタッフやオーナーが挨拶する手もある。直販サイトや姉妹店を宣伝したり、単にイメージ映像を流すなど、活用法はアイディア次第だ。
iPadは店舗の入り口やレジの近くに置いてもいいし、カウンターに設置してもいい。照明に合わせて画面の明るさを変えれば、過度に邪魔になるようなことはない。お客さんの反応がいまいちなら、簡単にコンテンツを変更できるのもメリットだ。
iPadは気軽に手にとって見てもらうこともできる。例えば雑貨屋なら、休憩できるコーナーを用意してiPadで製品を紹介すると、普段見てもらえないようなアイテムが売れるかもしれない。高価な商品で、実物が動いているところをなかなかイメージできない時にも役立つ。ウェディングドレスを着たときの裾の動きや、クルーザーが実際に走っている様子などがわかると商談が進めやすいだろう。不動産屋なら、味気ない間取り図だけでなく、現場の写真を流しておけば、興味を持ってもらえるはずだ。
もちろん、飲食店にもぴったりだ。スタンドに置いてさまざまなコンテンツを表示するだけでなく、メニューとしても利用できる。印刷物を完全に置き換えることは難しいかもしれないが、キレイにレイアウトされたメニューだと見ていて楽しい。印刷したメニューだとページ数に限りがあるが、iPadならそれぞれの商品を詳しく説明してもいい。電子書籍アプリを利用すれば、ページをめくる視覚効果もリアルに再現してくれる。

この連載の記事
- 第14回 iPadを常用カーナビとして活用する
- 第13回 iPadをDLNAクライアントとして活用する
- 第12回 就寝前/起床時にiPadをベッドの中で活用する
- 第11回 iPadをビジネスマンの情報収集ツールとして活用する
- 第10回 旅行先でiPadをガイドブックや情報端末として活用する
- 第9回 iPadを電車の中で存分に活用する
- 第8回 会議やプレゼン、校正の赤入れにiPadを活用する
- 第6回 iPadを動画ビューワーとしてフル活用してみる
- 第5回 iPadをキッチンでレシピ本やラジオとして活用する
- 第4回 ビーチやボートで遊ぶ「ナビシステム」として活用する
- この連載の一覧へ