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「セカイカメラ」がゲームプラットフォーム化

拡張現実オンラインRPG「セカイユウシャ」が公開

2010年07月31日 11時50分更新

文● 丸子かおり

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 iPhone用ARアプリ「セカイカメラ」の頓智・(トンチドット)が、新ビジョン始動をうたう記者発表会を同社新オフィスにて開催。ゲームプラットホームとして「セカイカメラ」を展開することや、初のARによるオンラインRPG「セカイユウシャ」の情報が公開された。

セカイカメラの新しいロゴ。キャッチフレーズも変更された


「セカイカメラ」新機能情報を公開

 発表会において頓智・の井口尊仁CEOがまず話したのが、「セカイカメラ」のキャッチフレーズであった「Tagging The World」(世界にタグづけ)を「Beyond Realty」(現実を超えて)に変更したこと。またセカイカメラの最新アップデート情報を紹介した。

 新バージョンでは、エアタグ投稿時にGoogle Mapで位置情報を直せる「位置情報の修正機能」、「セカイカメラ」を立ち上げなくともiPhoneのメニューでセカイワールドの更新が分かる「ノーティフィケーション」機能、エアタグと背景写真が撮影できる「エアショット」機能を追加したほか、インターフェースも改善。さらに同社が今後のキーとする「セカイアプリ」が公開された。

 「セカイアプリ」第1弾としては、すでにARを使った爆弾解除ゲーム「ばくはつカブーン!」がリリースされている。まだプロトタイプのアプリながら、世界で2万個以上のボムが設置され遊ばれているそうだ。頓智・では、様々なサードパーティーやクリエーターが作ったゲームを今後実装していくという。また「Flower Generation」、「Coo Koo」といったゲームも紹介された。

「ばくはつカブーン!」のゲーム画面とヨーロッパにおけるボムの設置状況

「Flower Generation」。アプリの詳細は現在不明だが、花のようなタグを設置できるのだろうか

Twitterと連動させ、拡張現実上でハトと暮らすアプリ「Coo Koo」


「セカイカメラ」をゲームプラットホームとして展開

 さらに、ARを使ったソーシャルゲームのプラットホームとして「セカイカメラ」を展開することが発表された。頓智・は、モバイルソーシャルゲームを「1番目の波」と見なし、2番目がロケーションゲーム、そして「セカイカメラ」が目指すのは3番目の波「ソーシャルロケーションAR」とした。ソーシャルロケーションARでは、ARを活用しつつ、同時にユーザーが存在する場所次第でプレー状況が変わっていくという。この新しいアプリの概念を、頓智・は「SoLAR」(Social+Location+AR)と名づけ、ARならではの体験で人とコミュニケーションをとりながら楽しめるアプリを目指していく。

「SoLAR」の概念。現実世界の中でARを通して人とつながれるアプリケーションだ

 今後頓智・では「SoLAR」ゲームのAPIを拡充し、サードパーティの参入を促進していくという。セカイカメラをプラットフォームとして、様々なゲームにアクセスできるようにしていきたいとした。


ARベースのオンラインRPG「セカイユウシャ」

 また「セカイアプリ」最新ゲームとして公開されたのが、初のARによるオンラインRPG「セカイユウシャ」(現在α版、近日リリース予定)だ。

 開発担当のアンビション 奥村大輔氏によると、「セカイユウシャ」の位置づけは「AR」+「RPG」=「ARPG」だという。ゲームプレーヤーは、アバター作成とともに戦士/魔法使い/僧侶の中から職業を選び、「セカイカメラ」にARで映るゲーム世界で冒険することになる。

「セカイユウシャ」タイトル画面。現実世界をそのまま「マップ」として利用するRPGだ

プレーヤーはアバターを作り、拡張現実の世界を冒険することになる。アバターの姿は多種多様な中から選べる

 ゲーム中ではモンスターとのバトルが発生し、現実世界を歩いた分だけ王様からほうびがもらえることになる。モンスターは日本全国のさまざまな場所に存在し、その土地しか出ないレアな敵も出てくるとのこと。また隠された宝や謎も配置されるほか、地域ごとに「メダル」がもらえるようにする。

AR世界でモンスターに遭遇! どこでどんなモンスターに出会うかわからない

歩いた分だけ王様からほうびがもらえる。HPなどの回復も王様に行なってもらう

 またユーザー向けのコミュニケーション機能も搭載。全国505ヵ所に勇者が集まる酒場が設けられ、仲間を募ることができる。ユーザー同士の会話ツールとしてはTwitterクライアント(コミュニケーションツール「ゆうしゃったー」)を採用しており、酒場で仲良くなったプレーヤーとコミュニケーションをとりながらモンスターを倒すという楽しみも味わえる。

全国505ヵ所に勇者が集まる酒場が存在。他の勇者と仲良くなれるかもしれない

勇者のためのコミュニケーションツール「ゆうしゃったー」

アンビションの奥村氏と頓智・の井口氏


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