コーポレートカラーの赤はなぜ?
さて、ウォッチガードといえば「赤」というコーポレートカラーがすぐに思い浮かぶ(そういえば、同じシアトルのF5も赤がコーポレートカラーだ)。Fireboxも「赤箱」という愛称で親しまれている。どうやら創業者がコーヒーを飲みながらブランドイメージを考えていたときに、目の前にあったのが消防署で、この色を採用したらしい。そういわれると、臙脂でも、朱色でもない、この赤は消防車かも。実際にこの赤に似せるために、創業者が消防車から塗料をこそぎっとったという逸話すらあるようだ。
さて、4階は約60人のエンジニアが開発やテスト、サポート業務を行なっている。開発拠点はシアトルのほか、カリフォルニアのオレンジカウンティ、カナダのトロント、そして中国の北京の全4箇所にあるという。引き続きシアトルオフィスの模様を見ていこう。
ご覧のようにドットコムブーム時代に引っ越してきたとのことで、部署ごとに色分けさせていたり、人形が飾ってあったり、全体的にポップでカラフルなオフィス。日本のシマと異なり、パーティションと個室で構成される米国のIT企業らしい印象であった。
エンタープライズにもクラウドにも
物怖じしない
最後にパートナーとの表敬訪問において、CEOのジョー・ワン氏と少しだけお話しできた。まずクラウドコンピューティングに関しては「私たちはクラウドを利用する立場。たとえば、スパムのフィルタリングはクラウドがフィットする。一方、ファイアウォールはアプライアンスが最適だ」と、現実的な方向性を示した。すでにRED(Reputation Enabled Defence)では、URL評価のセキュリティ機能をクラウドで実装している。
また、エンタープライズやキャリア向けの市場への取り組みに関しては、エンタープライズ向けの製品とサービスの両輪が重要であると語った。特にサポートは24時間365日の新しいサポートプログラムを用意し、エンタープライズの要件に応えるという。また、ISPのサービスとして使うため、XCS 1170というハイエンドの機種を11台導入している中東のプロバイダの事例のほか、「特にエンタープライズのシステムでは、いわゆる拠点(ブランチ)側に大量に導入される例も多い」(ワン氏)といった導入例も紹介された。いずれも特に気負いなく着実に進めていく様子で、今後はSMBだけではなく、エンタープライズの市場でも、赤箱の躍進が期待できそうだ。