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2010 Americas Partner Conferenceレポート

海沿いの町が熱い!ウォッチガードの作戦会議に潜入

2010年07月23日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月20日・21日の2日間、米国ワシントン州のシアトルにおいて、米ウォッチガード・テクノロジーズ(以下、ウォッチガード)が「2010 Americas Partner Conference」を開催した。今回、ASCII.jp担当がイベントに参加できたので、同社の戦略や製品の計画を中心にレポートしていきたい。

SMBをターゲットに売りまくるための作戦

 ウォッチガードは、ネットスクリーン(現ジュニパーネットワークス)、ソニックウォールとともにアプライアンス型のファイアウォールの始祖として知られている。おもにSMB(Small Medium Business)向けにファイアウォール「WatchGuard Firebox e-Series」、複数のセキュリティ機能を統合したUTM「WatchGuard XTM」を展開。UTMを超えるジャンルとしてアピールしているXTM(eXtensible Threat Management)ではXTM 2、XTM5、XTM 8といったシリーズのほか、昨年はハイエンド機種「XTM 1050」を発表。また、最近ではSSL-VPN装置「WatchGuard SSL」やWebとメールのコンテンツセキュリティ専用装置「XCS」といった新アプライアンスも投入している。フォーティネットやソニックウォールなど他のUTMベンダーがエンタープライズを指向するのに対し、ウォッチガードはSMBにフォーカスしているのが特徴といえる。

 今回開催された2010 Americas Partner Conferenceは、おもに北米のリセラーを集めたイベントで、100%チャネル販売の同社にとってはきわめて大きなイベントといえる。米国のリセラーに向けたイベントではあるが、日本からも数社のリセラーやパートナーが参加しており、今回は担当もそのなかも混ぜてもらったというのが経緯だ。

会場となったのは、シアトルの海近くにある「Marriot Waterfront」。もちろん、スターバックス飲み放題だ

 2日間の会期中に同社の現状説明のほか、製品の計画、競合との比較、販促施策やキャンペーン、ユーザー事例紹介、サポート体制の説明などの講演が用意されているほか、チームごとに分かれたディスカッションや製品のデモ、Q&Aセッションなどもあり、盛りだくさんな内容となっていた。

OEMによる技術供給はメリットをもたらす

成長プランについて語る米ウォッチガード CEOのジョー・ワン氏

 カンファレンスのテーマは「Differentiation(差別化)」。つまり、なぜウォッチガードを選ぶのかという点だ。カンファレンスの冒頭、CEOのジョー・ワン氏は成長のプランと差別化ポイントについて解説した。同社は1996年に設立されているが、非上場になった2006年には売上高が大きく落ち込んだ。しかし、2007年以降は不況にもかかわらず大きく成長している状態。XTMに関しては「他社はファイアウォールのパフォーマンスをアピールしている。だが、顧客はUTMとして使いこなしているので、セキュリティ機能をすべてオンにした場合のスループットが必要になる。こうしたパフォーマンスの部分で、私たちは他社に比べて秀でている」と述べた。

 さらに同氏は次のステップとして、エンタープライズへの展開(縦展開)と他のセキュリティ機能の拡充(横展開)を進める戦略を明らかにした。エンタープライズ市場に関しては「1500~5000ドルの市場では高いシェアを誇っているが、それ以上の数千人の市場は成功していない」と分析。この部分をカバーするのが、同社の2GbpsのUTMスループットを誇るハイエンドの「XTM1050」であり、今後はこのエンタープライズ分野を伸ばしていく方向を示した。

エンタープライズまで見据えたXTMをはじめ、XCS、SSLなどのアプライアンスを用意

 さらにワン氏は現状欠けている他のセキュリティ分野に関しても、買収やOEMなどでカバーしていく語った。アンチウイルスに関してはカスペルスキーやAVGをパートナーとしており、OEMによる他社からの技術移転は批判の的になることも多いが、ワン氏は「ソニックウォールやフォーティネットはアンチウイルスなどの技術を自社開発しているが、彼らが開発にかけている人材は、カスペルスキーやAVGといった専業メーカーに比べて1/10に過ぎない」とその批判を一蹴した。

(次ページ、リサーチャーが5つの脅威を紹介)


 

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