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痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第6回

メロン号、四国で今期2回目の優勝!

2010年06月25日 20時00分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義、中村信博

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メロンインテグラ、四国・愛媛に上陸!

 全日本ラリー選手権Rd.3「ラリー北海道2010」において、ミッショントラブルによる無念のリタイヤに終わってしまったメロンブックス・ラリーチャレンジ。デイ1ではクラス3番手を走行しており、もしもこの順位のままフィニッシュしていたら、その後のシリーズ展開をかなり有利な形で進めることができたのだが……。

 だが、くよくよしている暇は無い。その3週間後、早くも次の参戦イベントであるRd.4「久万高原ラリー2010」(6月12~13日)がせまっているのだ。大急ぎでインテグラの修復を終え、さらにダート仕様から舗装仕様へとセッティングを変更。わずか2回の走行テストを行なったのみで、なんとかギリギリのタイミングで愛媛へとマシンを送り込んだのだった。

 Rd.4「久万高原ラリー2010」の舞台となる愛媛県久万高原町は、松山から南に約1時間ほどの高知との県境に位置する町。西日本最高峰の石鎚山が東にそびえており、そこから伸びる屏風のような山々によって四方を囲まれている。南国には珍しく冬には大雪が降るそうで、サービスパークがおかれる美川スキー場は四国でも数少ない天然雪のゲレンデが広がり、その筋には有名な場所なのだとか。

緑深い石鎚山系のただなかにある久万高原町。標高の高い美川スキー場から眺めると、どこかとんでもない秘境という雰囲気がする

全日本ラリー開催は、久万高原町で年に一度のビッグイベント。街中にはそこかしこにこんなポスターが張り出されてお客さんをむかえていた

サービスパークの片隅には、ゲレンデ整備用の雪上車が次の冬を待っていた。また冬になれば、ここも深い雪に覆われるのだろう

 「久万高原ラリー2010」は、総走行距離221.52km、そのうちスペシャルステージは10SS、105.76kmで構成されるターマック(舗装)ラリーだ。国内ターマックイベント最長を誇る名物の「美川」ステージをはじめ、まるでヨーロッパアルプスのような稜線を走る「大川嶺」ステージなど、それぞれに特色のあるフィールドがクルーを待ち受けている。いずれのステージも標高が高く、最高所では1400mほどの高さがあり、特にNAマシンではピークパワーの落ち込みも激しい。また山岳地ゆえに天候の変化も大きく、「ラリー北海道」とはまた違った意味で、マシンとクルーのタフネスさを問われる一戦となるだろう。

 筆者が美川スキー場のサービスパークに入ったのは、12日(土)の朝10時。すでに選手たちはレッキ(事前試走)に出発しており、サービスパークには各チームの色とりどりのテントが立ち並んでいた。今回のメロンブックス・ラリーチャレンジは、メカニック2名と監督兼マネージャーである筆者の、計3名というきわめて小規模な編成だ。だがメロンブックスインテグラを製作したシロキヤレーシングサービスの金子社長みずからメカニックに加わってもらっていて、少人数ながらあらゆる事態に対応できる体制となっている。

サービスパーク全景。続々とレッキからマシンが帰還して、車検前の整備を受けている。このラリーではお客さんも自由に各チームブースの近くまで見に行くことができるのだ

メロン号もメンテナンス中。車検に一発合格できるよう、メカニックの手で各部を念入りにチェックしていく

今回からチームに投入された専用メカニックスーツ。背中と左胸にチームロゴが刺繍された逸品だ

タイヤ職人の朝は早い……全日本ラリー選手権の各イベントには、ダンロップとアドバンのタイヤサービスが会場に来て、参戦チームからのタイヤに関する要望にこたえている。何十本というタイヤ交換を素早くこなしていくその手腕は、まさに職人芸だ!

会場の片隅に店を広げていた、メロンブックス出張店。今回が最後となるメロンバンで、東京からここ愛媛まで自走してやってきたのだ!

今回、メロンブックス出張店で試験的に少量販売されていたメロン味ソーダ。お客さんの反応も上々で、9月の新城からイベント限定で本格販売していくとか

 やがて、選手たちがレッキから帰還。戻ってきた本番マシンはジャッキアップして下準備を進めたあと、メカニックの手で車検場へと運ばれる。この「久万高原ラリー」では例年ホンダ車が多く車検に引っかかっていたので心配していたが、今回メロン号はすんなりと車検を通過してホッと一安心だ。

ライバルとともに公式車検を受けるメロンブックス・インテグラ。写真は重量が規定値以上あるか調べる車重測定。車内の装備品をすべて降ろし、計測器の上に静かに進んで測定を受ける

これは、決められた最低車高を下回っていないか調べるためのローラー。直径がちょうど規定値と同じで、これをマシンの下で転がして接触する部分がないか調べるのだ

公式車検とほぼ時をおなじくして、プレスカンファレンス(記者会見)が開かれていた。JN-3クラス優勝候補の1人として眞貝選手も出席し、記者からの質問に答えていた

記者会見の様子

(次ページへ続く)

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