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痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第8回

ド迫力の営業車、メロンバンが二代目となって復活!

2010年09月24日 20時00分更新

文● 中村信博

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引退した初代に変わって
今度はブラックのメロンバン!

 昨年後半に登場して以降、各地のラリーイベントでその可愛らしいデザインを披露してきた、メロンブックス出張隊専用トランスポーター、通称・メロンバン(関連記事)。普段は関東圏を中心にメロンブックス各店舗をつなぐ配送車として使われていたから、ラリー会場でなくともその姿を目にした人は多かったと思う。

 だが、6月の全日本ラリー選手権「久万高原ラリー」でのお役目を最後に、メロンバンは引退。配送車としてはアキバでもひときわ目立つその風貌のため「もう少しだけでも残しておいて欲しい」という要望も多く寄せられたと聞くが……。実はこのとき、新しいメロンバンの製作計画が水面下で着々と進行していたのだ。

 9月中旬、全日本ラリー選手権「新城ラリー」を前にお披露目された新メロンバンの施工の様子を順を追って紹介しよう。なお記事の最後には、今週末に開催される「新城ラリー」のイベント情報も掲載しているので、観戦を考えている読者は参考にして欲しい。

 今回もデザイン&施工は、奈良にある「T.S.Craft」が担当した。いわずと知れたメロンブックス・ラリーチャレンジの歴代マシンのデザインを手がけてきた、競技マシン中心のデザイン事務所だ。先代メロンバンは白ボディの、見るからに商用車然としたハイエースだったが、今度のベース車は同じハイエースでもボディカラーはブラック。しかも内部に特別な架装を施したクルマで、ホイールをはじめ一部の外装パーツもノーマルからオプションパーツへと変更されていた。

どうやら、一般的な商用車のイメージとは違った雰囲気を出してみたい、というのがブラックを選んだ理由のようだ。内部は「マルチロールトランスポーター」という仕様で、タイヤハウスが枠で覆われるなど、通常の内装より多くの荷物が積みやすい構造になっている

 ブラックというボディカラーは、全体が引き締まって見える反面、その上に乗せるカラーを選んでしまう難しいベース色だ。メロンブックスのコーポレートカラーであるグリーンは、ブラックとは相性が悪い色のひとつ。メロンブックスとT.S.Craftのあいだで何度かデザイン案のやりとりがあったようだが、最終的に決断されたのは「コーポレートカラーを捨てる」という大胆な判断だった。

 言うまでも無いことだが、コーポレートカラーとは会社の宣伝にも大きく関係してくる非常に重要なもの。でも、ここで無理にコーポレートカラーににこだわって全体のバランスを崩すよりも、よりカッコ良くて見る人を惹きつけるデザインを取ったのだ。

そして上がってきた最終的なデザイン案。ブラックの上でもよく映える、ホワイトとレッドでバイナルグラフィックが描かれている。ラリーマシンにも採用されている「m」の字を意匠化したラインにチェッカー柄が重ねられ、その上からメロンブックス公式イラストレーター「風上旬」氏の描き下ろしレーシングめろんちゃんのイラストが配されている

ニューメロンバンのできるまで

 ここからは、T.S.Craftのデザイナー角氏から送られてきた写真を中心に、その施工の模様をキャプションで紹介しよう。

まずはサイドのチェッカー柄から施工を開始。まるでスプレーで吹いたような、ベースの色を活かした独特のグラデーションだが、これも印刷技術を駆使した1枚物のフィルムだ。平面が多いので貼りやすそうだが、面積が大きいので細かい部分で皺になりやすい。デザイン画を横目に慎重に貼り進めていく

次に「m」を意匠化したラインを重ねていく。単純なモノトーンではなく、レッドを入れることでよりスタイリッシュなデザインとなった。完成度を上げるため外せる部分はすべて取り外して施工することもあるが、今回はドアノブなどを外さずに、そのままカッターを使って施工している。パーツの起伏具合を計算に入れて刃を進めているので、写真からはそれが一切判らない

ラインを貼り終えたあと、いよいよレーシングめろんちゃん部分の施工に移る。今回のイラストは、ハイエースに合わせてイラストレーターの風上氏が特別に描いたもので、手や足の位置がピタリとハイエースのアウトラインに収まっている。なので、カットする部分も最小限で済んだそうだ

メロンブックスのロゴとURLは一番最後に。通常はグリーンで書かれているロゴが、モノトーンで書かれていると新鮮な感じがする。全体のバランスをみながら微調整して、ベストな位置が決まると一気に貼りこむ

そして「MELONBOOKS RALLY CHALLENGE」のロゴがサイドガラスの下に。レーシングめろんちゃんと合わせて、このクルマもチームと共に全日本ラリー選手権を戦っている仲間である証拠だ

続いて前後の施工に移る。意匠化した「m」のラインが前面にあったサイドとは対照的に、フロントとリヤではチェッカー柄のほうが前面に来るようにデザインされた。デザインソフトの上で重ねる順番を何度か変えてみた結果だそうだが、このほうがフロントとリヤのマスクが締まって見える

こうして完成した、新メロンバン。CMYK出力の場合、モノトーンに見えてもわずかにK(ブラック)以外の色が混ざることがあるが、今回はどの角度から見ても色合いを崩さないために、ラインの色はホワイトとブラックのみで構成された純粋なモノトーンカラーとなっている。ベースがブラックなことに加えて、バイナルを単純な色合いに落ち着かせたので、カラフルなレーシングめろんちゃんがより浮き上がって見えるのもポイント。よりキャラクターを際立たせるデザインを考える上で、これは参考になる部分だ

 完成した新メロンバンは、さっそくメロンブックス高崎店のリニューアルオープンに合わせて現地に送り込まれ、集まったお客さんにお披露目された。翌日からはさっそく関東方面の各店舗を巡る配送業務に使われ始めたが、これまでのメロンバンとは違うスタイリッシュなデザインは、どこでも好評を得ているようだ。もちろん、これから11月まで3戦が予定されている全日本ラリー選手権の会場にも、メロンブックス出張隊のトランスポーターとして姿を見せるそうなので、関東以外の方も楽しみにしていて欲しい。

(次ページへ続く)

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