この企画の第3回では、東京都青少年健全育成条例改正問題を周知すべく『非実在青少年読本』を緊急出版した徳間書店の大野修一氏のお話を掲載する予定だ。6月初旬にはこの『非実在青少年読本』と『非実在青少年&規制反対>読本』(サイゾー)という二冊の都条例改正に関する商業出版物が発売されたが、実はそれらよりひと月前の連休中に緊急頒布された本が存在する。
都条例改正問題のなかでも、特に“非実在青少年”に代表されるような漫画に対する規制をテーマにした『マンガ論争 2.5』がそれだ。
問題点をわかりやすく示した基礎知識編のほか、改正案提出のきっかけとなった昨年12月の答申素案公開から現在までの詳しい経緯、藤本由香里準教授や東京都議会議員へのインタビュー、同人誌即売会・アニメーション業界など当事者の声も入っており、一読すれば今回の問題がひととおり理解できる好著となっている。
編著者の漫画評論家永山薫氏とジャーナリスト 昼間たかし氏は、漫画の表現規制や自主規制などをテーマとした『2007-2008 マンガ論争勃発』『マンガ論争勃発2』(共にマイクロマガジン社)という「マンガ論争」シリーズの著者でもあり、『マンガ論争 2.5』はいわば同シリーズの続編ないし番外編と言えるものだが、今回は商業出版ではなくいわゆる同人誌として発表されている。
そこで連載第2回では、『マンガ論争 2.5』の編著者 永山氏が考える東京都青少年健全育成条例改正の問題点についてお伺いした。
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