このページの本文へ

アプリケーション デリバリー コントローラの新最上位製品登場

3倍以上速くなったCitrix NetScaler、ついに国内投入

2010年06月09日 09時00分更新

文● 渡邉利和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 6月8日、シトリックス・システムズ・ジャパンは、ネットワーク・アクセスを高速化する「アプリケーション デリバリー コントローラ」製品「NetScaler」に最上位モデルを追加した。併せて、OSのアップグレードなど関連する新発表をいくつか行なっている。なお、製品自体は既報の通り5月に米国サンフランシスコで開催された「Citrix Synergy 2010」で発表済みのもので、今回は日本市場での正式発売のアナウンスとなる。

NetScaler MPXに新モデルが登場

 ハードウェア・アプライアンスであるCitrix NetScaler MPXシリーズに追加されたのは、「MPX 17500」(システムスループット20Gbps)、「MPX 19500」(同35Gbps)、「MPX 21500」(同50Gbps)の3モデル。

新製品を解説するシトリックス・システムズ・ジャパンのマーケティング本部シニアプロダクトマーケティングマネージャー的場謙一郎氏

 既存モデルでは、システムスループット15GbpsのMPX 15000シリーズが最上位に位置づけられており、今回投入された3モデルはいずれも既存の最上位モデルを上回る「ウルトラ ハイエンド」と謳われる。

3製品とも、これまでの製品を上回るスループットを実現する

 製品説明を行なった同社のマーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャーの的場 謙一郎氏は、3モデルとも最大出力定格650Wの電源を冗長構成で2台搭載することに触れ、「2Uサイズで50Gbpsというパフォーマンスはクラス最高レベルであり、エネルギー効率は電源1kWあたり77Gbpsに達する」と省スペースで高速、低消費電力というポイントをアピールした。

 同氏によると、今回発表された3モデルはいずれもハードウェアとしては同一であり、ライセンス条件によって性能の上限値が決められているという。逆にいえば、MPX17500を導入したユーザーも、ライセンス条件を変更することでハードウェアの交換なしに最大50Gbpsまでシステムスループットを拡張できる余地があることになる。

 同社ではこの特徴を「Pay-as-You-Grow」(成長に応じて支払う)としている。ネットワーク機器では専用のカスタムASICによって処理を高速化する手法がよく見られるが、NetScalerでは標準的なIAサーバをベースとし、ソフトウェア・チューニングによって高速処理を実現する。今回の新モデルではIntelの最新のXeonプロセッサを採用しているという。

ソフトウェアとライセンスも新タイプが

 NetScalerのOSもバージョンアップされ、「NetScaler 9.2」としてリリースされた。MPXシリーズで最新のXeonプロセッサが採用されたことを受けてマルチコア・プロセッサへの対応を強化。この結果、さまざまな機能の処理性能が向上しており、最大では7倍の性能向上を実現した処理もあるという。

NetScaler 9.2に搭載された新機能

 そのほかの新機能としては、クラウド対応の強化としてマルチテナントに対応し、NetScalerの内部でネットワークを分離し、相互にルーティングする機能が加わった。また、キャッシュが64ビット化された結果、従来は2GBが上限だったキャッシュ容量の増加も可能になった。

NetScaler 9.2のウリの1つは「クラウド対応」だ

 また、NetScalerの機能を仮想化環境上の「バーチャル・アプライアンス」として提供する「NetScaler VPX」もアップデートされた。従来はシステムスループット1Gbpsが上限だったが、今年第3四半期に投入予定の「VPX-3000」ではシステムスループットが3Gbpsまで引き上げられる予定。

 また、従来の対応仮想化プラットフォームはCitrix XenServerとVMware vSphere(ESX)の2種類だったが、今年後半にはMicrosoft Hyper-Vにも対応する。

 最後に、ライセンスオプションとして「Burst Packライセンス」が今年第3四半期から提供される予定だと発表された。Burst Packライセンスは、期間限定でシステムスループットの上限値を引き上げ、一時的に上位モデルの性能を利用できるというもの。「MPX 7500(1Gbps)->MPX 9500(3Gbps)」「MPX 10500(5Gbps)/MPX 12500(8Gbps)->MPX 15500(15Gbps)」「MPX 17500(20Gbps)/MPX 19500(35Gbps)->MPX 21500(50Gbps)」「VPX 1000(1Gbps)->VPX 3000(3Gbps)」の4通りが用意される。

新しいライセンスオプション「Burst Packライセンス」

 米国でのクリスマスシーズンのような、年間でも特定の期間にアクセスが集中する顕著な繁忙期がある場合や、トラフィックが増加傾向にある中での一時的な対応など、期間限定でパフォーマンスアップを実現したい場合に利用可能なオプションだ。

 なお、今回発表された製品の価格はいずれもオープンプライスで、シトリックス認定パートナーを通じて提供される。

DSC_6678.JPG シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー 的場 謙一郎氏

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  3. 3位

    ネットワーク

    ネットワークとセキュリティの統合に強み 通信事業者系ZTNA/SASEサービス3選

  4. 4位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  5. 5位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  6. 6位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

  7. 7位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  8. 8位

    サーバー・ストレージ

    「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る

  9. 9位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  10. 10位

    ITトピック

    AIセキュリティで必要な6つの対策/20代の半数が「検索エンジンを使わない」/生成AIツールはエンジニアの「業務インフラ」へ、ほか

集計期間:
2026年05月19日~2026年05月25日
  • 角川アスキー総合研究所