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6コアで12スレッド処理!

Xeon 5600番台搭載機、続々登場

2010年03月18日 06時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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CPUのマルチコア化が進み、仮想環境などのマルチタスク処理も快適になってきた。しかし、問題はサーバーの導入コストと電力コストだ。そこでインテルは、新たなCPUを開発し発表。それと同時に、各社も一斉に新CPU搭載製品を発表した。インテルでは、15台のシングルコアのXeon 3.80GHzを搭載するサーバーと同等の性能を、Xeon 5600番台搭載するサーバーを1台に集約できる。さらに、最短5ヵ月でその投資を回収可能だとしている。

 インテル(株)は17日、サーバーおよびワークステーション向けの最新CPU「Xeon 5600番台」を発表した(関連記事)。Westmere-EPと呼ばれていた製品で、32nmプロセスルールを採用。Nehalem以降のXeonとしては、初めて6コアの構成が選べるようになった。Xeon 5500番台より最大60%の性能向上と、約30%の省電力化を実現した。

 ほぼすべての製品が、負荷に応じて動作クロックを調整するターボ・ブースト・テクノロジーに対応。AES暗号の高速な暗号化/複合化をサポートする「AES-NI」。そして、ソフトウェアの改ざんを検知する「インテル TXT」によりセキュリティーや堅牢性にも配慮している。

Xeon 5600番台の写真

ダイの写真。6つのコアが並んでいることがわかる

企業向けXeon 5600番台のラインアップ。省電力に特化したXeon L3406も同時発表された

 昨日の発表に合わせて、各社から続々と新製品が登場している。個々の詳細は本文リンクからニュース記事を参照してもらうとして、ここでは現時点でのメーカー別の発表動向を簡単にまとめておこう。


Xeon 5600番台の搭載製品も同日発表!


独自仮想化機構「Virtage」を搭載!

 (株)日立製作所は、ハイエンドモデル「BS2000」と小型高集積モデル「BS320」を発表。一部の製品では、従来比で2倍となる8Gbpsの転送速度に対応したファイバチャネルアダプタをサポートし、日立独自開発のサーバー仮想化機構「Virtage」も搭載。販売時期は各製品で異なり、3月下旬から4月中旬。ラインアップは下記のとおり。なお、すべてOSレスモデルとなる。

写真左がハイエンドモデル「BS2000」。右が小型高集積モデル「BS320」

  • 「BS2000」標準サーバーブレード ●66万1500円~
  • 「BS320」標準サーバーブレード ●31万5000円~
  • 「BS320」SAN専用サーバーブレード ●31万5000円~
  • 「BS320」PCI拡張サーバーブレード ●39万9000円~
  • 「BS320」HDD拡張サーバーブレード ●42万円~

SSD採用で静かな「PRIMERGY」

 富士通(株)は、PCサーバ「PRIMERGY」の新モデル3種を発表。全モデルともメモリを最大192GBまで拡張可能で、「PRIMERGY TX300 S6」「PRIMERGY RX300 S6」では、3枚1組で搭載されているメモリの1枚を予約メモリとし、異常発生時に予約メモリに切り替える「メモリスペアリング機能」などをサポート。SSDを採用しているのも特徴。4月中旬から販売が開始される。

「PRIMERGY TX300 S6」

  • 「PRIMERGY TX300 S6」 ●32万6000円
  • 「PRIMERGY RX300 S6」 ●38万1000円
  • 「PRIMERGY BX922 S2」 ●29万6000円

吸排気の工夫で省スペース省電力

 富士通(株)は、クラウドコンピューティング向けの新サーバープラットフォーム「PRIMERGY CX1000」も発表。筺体上部に搭載する2個の巨大ファンでラック全体を冷却する。それゆえ、冷却ファンの数が減り、消費電力を約13%削減。さらに排気方法を見直し、設置スペースを従来比で約40%削減した。価格は1480万円からで、すでに販売開始されている。

「PRIMERGY CX1000」


自由自在にIT基盤を構築!

 (株)日本コンピューティングシステム(JCS)は、ラックマウントサーバー6機種とタワーサーバー1機種、ワークステーション1機種を発表した。計8機種という柔軟な選択肢を用意することで、高負荷処理や仮想化などにおいて高いパフォーマンスを発揮する自由度の高いIT基盤を構築できる。タワーサーバー「Type XEHC2」の価格は31万5000円から。ワークステーション「Type GLWG4」の価格は85万8900円から。ラックマウントサーバーのラインアップと価格は下記のとおり。全機種ともすでに販売されている。

ラックマウントサーバ 「JCS Vintage 2U-XEG2」

  • 「Type 1U-XEG2」 ●32万8650円~
  • 「Type 1U-XEGL2」 ●41万2650円~
  • 「Type 1U-XPG3」 ●34万5450円~
  • 「Type 1U-XETG2」 ●50万850円~
  • 「Type 2U-XEG2」 ●36万7500円~
  • 「Type 2U-XEGL2」●39万5850円~

コストパフォーマンス重視の一品

 ぷらっとホーム(株)は、1U/2Uラックマウント型サーバー「TRQX/55SA」およびタワー型サーバー「SDQX/55」を発表。Xeon 5600番台を搭載しても従来と同じ価格で提供されるコストパフォーマンスの高い製品で、すでに販売が開始されている。

「Trus TRQX-2/55SA」

  • 「Trus TRQX-1/55SA」 ●28万5600円~
  • 「Trus TRQX-2/55SA」 ●37万7600円~
  • 「Trus SDQX/55」 ●35万5950円~

2基のPCI-Express x16スロットでデュアルディスプレイ

「ExPrime Workstation T-200-SC」

 PCショップ「ドスパラ」で有名な(株)サードウェーブは、タワー型ワークステーション「ExPrime Workstation T-200-SC」を発表。2基のPCI-Express x16スロットを搭載。そして、標準でインテルR I/O Expansion Moduleを装備。専用のSAS-RAIDカードを装着すれば、PCI-Expressスロットを消費することなくハードウェアRAID環境を構築できる。もちろん、2個のCPUを搭載可能でメモリーは最大96GBまで搭載可能。価格は17万3800円からで、すでに販売が開始されている。

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