柔軟なバッテリー構成ときめ細やかなメンテナンス性能
本体の重量はACアダプターを含む実測で2.3kg(ACアダプターが約300g)だ。常時持ち歩くには少し重いが、普段はデスクの上で使用して、たまに持ち歩くぐらいであれば、許容できる重さだろう。
なお、光学ドライブが脱着式になっているため、これを外せば約1.9kgになる。また、稼働時間を延ばしたい場合には光学ドライブの代わりに増設用内蔵バッテリユニットを搭載できるようになっており、(約2.2kgまで重量は増加するが)バッテリーによる稼働時間は約5.5時間から約9時間になる(いずれもスペック値)。
実際にバッテリーによる稼働時間を計る「BBench」で計測してみた。無線LANを常時使用してウェブブラウザーを立ち上げ続けるテストで、標準バッテリーでは約2時間45分だった稼働時間が、増設用内蔵バッテリユニットを加えることで約5時間58分まで延長することができた。電源を確保できる室内では光学ドライブを装備し、外出時間の長いときには増設用内蔵バッテリユニットに換装、タブレットスタイルで手持ちの場合には、ウェイトセーバーを装着して重量を軽くするなど柔軟な重量調整ができる。
ネットブックのように単体でも長時間駆動がウリの製品が多いが、このようにユーザーが制御できる調整は多くない。実際、光学ドライブの着脱機構や増設用内蔵バッテリユニットの搭載は構造が複雑で部品単価も上がるため、普通のメーカーではなかなか採用しづらい。しかしそれを当たり前のように実現している富士通は、やはりパソコンを作る底力があるメーカーなのだ。
ちなみに底面を眺めていると、細長いスリット状のパーツを外せることに気がついた。よく見るとCPUの廃熱口を掃除するためのメンテナンス用スリットだった。富士通製ノートパソコンに多く見られる機構だが、個人的に気に入った部分だ。
確かに最初のうちは良いのだが、長く使っていると廃熱口がある格子状部品にホコリが付着して汚くなってくる。しかも、表面から拭ってもなかなかこのホコリを取ることができない。エアーダスターなどで吹き飛ばそうとしても、内部に向けて吹いてしまうと、ホコリを筐体内に入れてしまう結果になるのでなかなか掃除しづらい。
しかし、このようにスリット状のメンテナンス口があれば、ここからエアーダスターのノズルを入れて内側から、外にホコリを吹き飛ばすことができる。まだパソコンの価格が今の何倍もした頃はこのようなメンテナンス性を考えた構造もよく見受けられたが、最近では省略される場合が多い。こうした構造が採用されていると、ユーザーのためを考えて製品が作られているとつくづく実感できる。