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業界人の《ことば》から 第388回

ウチダエスコのキッティングセンターに潜入

在宅ワークでニーズが再認識されているPCのキッティング、そのノウハウを聞く

2020年04月23日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「この物件に巡り合えたことはとてもラッキーなこと。そして、このタイミングで本稼働できたことも大きな意味があった」

(ウチダエスコの江口英則社長)

在宅ワークやGIGAスクール構想の拠点として

 ウチダエスコが、月間2万台のPCをキッティングできる「ESCO(エスコ)船橋-BaySite(ベイサイト)」を、2020年3月から本格稼働させている。

 ESCO 船橋-BaySiteは、これまで稼働させていた船橋キッティングセンターと、浦安リペアセンターの2つの拠点を統合。新たに1665坪(約5500m2)の施設で運用を開始したものだ。

 月間2万台のキッティング能力は、従来の2倍に達し、併設している倉庫エリアも約1.8倍に拡張して、ノートPCであれば4万台もの保管が可能になっている。

 これにより、在宅勤務の増加によって求められているリモートワークに最適化したPCの提供や、GIGAスクール構想による児童生徒1人1台のPC整備に向けた教育向けPCの供給において、重要な役割を果たすことになる。

情シス管理者の負担を低減する、キッティングとは何か?

 PCのキッティングとは、企業や教育機関、団体などが導入するPCに対して、使用する環境や要求するスペックにあわせてカスタマイズする作業を指す。情報システム部門やシステムインテグレータは、社員のPCごとに現場で設定作業を行ったりすることがなくなり、社員は新しいPCが会社から貸与されても、すぐに利用できる環境が整うことになる。

 キッティングサービスの範囲は多岐に渡る。

 ウチダエスコで対応しているのは、企業などが用意したマスターをイメージファイルとして、それぞれのPCにクローニング。PCのBIOSを設定したり、ドライバーやアプリケーションソフトをインストールしたり、Windowsの初期設定、IPアドレスやネットワークの設定などのほか、旧PCからのデータ移行もする。メモリーの増設やSIMカードの装着などのハードウェアの構成変更もメニューとして用意している。

 さらに、PCに管理用のシールを貼付したり、情報システム部門などが用意した独自のマニュアルを同梱する作業をする一方、メーカーが同梱するマニュアルや説明書を取り除いたり、梱包箱が不要な場合にはそれを廃棄する。実際、一人に一冊ずつのマニュアルはいらないという企業も多く、導入台数分のマニュアルの処理に困るケースも少なくない。同梱品を抜き取って、廃棄するというのも、キッティングのなかではよくある作業のひとつだ。

 また、企業などの導入のタイミングにあわせて、指定された納期に収めたり、それまでの期間は在庫として保管したりもする。PC本体とディスプレイをはじめとする周辺機器を組み合わせて同時に出荷するという作業もキッティングで求められる要素のひとつだ。

 ウチダエスコの江口英則社長は、「もともとは、旧船橋キッティングセンターの建物の契約が更新時期を迎えていたのが移転計画の発端。今後の発展を目指すためには、新たな場所に移転する必要があると考えていた」とする。

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