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買ったからには全部言いたい! ペンタ「K-x」の魅力 第6回

聞きたいことが山ほどあった! K-x開発者を直撃!【前編】

2009年11月26日 12時00分更新

文● 小林 伸

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新規映像エンジンは上位機種並み!?

拡張感度を「オン」にすることで、ISO 12800での撮影も可能に

拡張感度を「オン」にすることで、ISO 12800での撮影も可能に

 ――映像エンジンも「PRIMEII」へと変更になり、撮影感度の上限が拡張機能をONにするとISO 12800までになりますが、K-7とはセンサー自体が違うとはいえ、エントリークラスにも関わらずカタログスペック上では上位機種のK-7を越えた部分などもありますね。

 山元:撮影感度に関しては最初にセンサーの素性を見た段階で「がんばれば手が届きそうかなぁ」というようなところを目標にするのですが、そのときにISO 12800を目標にすることになりました。さらに、今回はエントリークラスということで画質設計をK-7からは見直しました。細かいディテールを再現するというよりは、パッと見キレイに見える絵作りへとベクトルを変更しました。この絵作りならばISO 12800にしたときの見え方も「いける」という感触が得られました。

 ――たしかにISO 1600くらいでは、さほどノイズ感のある画像ではありませんね。それ以上では必ずしもノイズがないとは言いませんが、出かたは素直ですね。見ていても違和感を感じません。

 小迫:不自然に感じる色ノイズは、かなり制御できていると思います。輝度ノイズに関しては、解像感を損なわない程度に制御しています。

 若代:ノイズをつぶす方向よりは質感を残すという方向です。その結果が素直なノイズの出方に見えるのかもしれません。

 ――今回組み合わされた画像処理エンジン「PRIMEII」の仕事としては画像処理もさることながらその他の機能の向上もあると思うのですが。

 山元:K-mに搭載されていた「PRIME」では連写速度が3.5コマ/秒以上は難しかったのですが、今回、「PRIMEII」へ変更したことで、画像の取り込み速度なども高速化されています。そして画像処理エンジン自体も高速化されています。さらに「ディストーション補正」などの機能をアシストするハードウェアも搭載されています。新しい機能では「クロスプロセス」機能なども盛り込んであります。


「スーパーインポーズ」機能なしの賛否

 ――AFに関してですが、K-mとは全然反応も速度も違いますね。

 小迫:機構的な部分は、コマ速度の高速化とAFの機構部もK-mから多少変更しています。機構を含む制御の部分はK-7を踏襲したような形になっており、そのおかげで多少高速化とAF精度の向上を果たしています。その機構部をこのコンパクトなK-xのボディ内に押し込むのに苦労しました。

 山元:AFに関する信号処理やアルゴリズムについても、K-7とほぼ一緒です。

 ――ずいぶん贅沢な作りになっていますね。ただ、ファインダー内部のAFポイントに「スーパーインポーズ」(ピントが合っているポイントを強調する機能)がないのが残念なのですが。

 若代:K-mの開発時、できるだけコンパクトなボディを作る大命題があったため、スーパーインポーズの機能を外してまでペンタ部をコンパクトにしました。機能を組み込むためにはペンタ部が上に大きくなるか、前部にせり出す形になりますが、「K100D」のときにユーザーからこの部分をコンパクトにできないかという声が多くありました。

 「*istDL」などのときには外していてもそれほど強い要望もなかったことから、K-mでは外す方針をたてましたが、発売後には実に強い要望があることも分かりましたので、K-xでどうするか本当に悩みました。最終的には、ライブビューや液晶上のGUIでスーパーインポーズがないことをできる限りカバーするようにし、K-mのボディを流用することに決定しました。

 小迫:この部分は開発内でも最後までもめましたね。

 ――そろそろ、購入者からの声などが聞こえてきていると思うのですが、スーパーインポーズが無いことの反応はいかがですか?

 若代:しかし、K-mのときほど、今回K-xにスーパーインポーズが無いことの拒否反応は少ないですね。K-mのときに要望の強かった「測距点を増やす」「測距点選択ができる」といった要望に、少しはお応えできたのではないかと思います。しかしながら、搭載のご要望があることは十分認識しておりますので、これは今後の課題にしたいと思っています。

K-xでは11点測距となっている

K-xでは11点測距となっている

 ――たしかに、5点測距から11点測距に増えたのはいいですね。この測距センサーはK-7と同じなんですか?

 若代:基本的に共通の「SAFOXVIII」という物を使用しています。しかし、K-7では光源情報を検知するセンサーが別にありますので、「SAFOXVIII+」と呼んでおります。


 次回はK-xに新たに備わった画像処理機能である「クロスプロセス」モードや動画撮影機能などについてお伝えする。


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