タワー型パソコンの生き残る道は?
「パワー好きはとりあえずCore i7を買っとけ」(美和)
小西「特集の4回目はCore i7/i5のタワー型パソコンを取り上げました。いわゆるLynnfield世代のハイエンドタワーです」
美和「デスクトップ、それもタワーは需要少ないだろうな」
小西「調査会社のBCNが発表したデータでは、10月のパソコン販売の8割がノートだそうです。デスクトップも店頭販売されているものはほとんど液晶ディスプレー一体型ですから、タワー型の割合は1割もないでしょうね」
北村「デスクトップ、それもタワーじゃないとできないことって、ほとんどないでしょう」
小西「いやいや、パソコンはパワーですよ!」
美和「自作PCページ担当者が、タワー型を全否定していいのか!(笑)」
北村「ゲームユーザーも、今ではゲーム機に流れちゃってますからね。特にXbox 360に」
小西「PCゲームの花形だったFPSも、今や市場の主流はゲーム機ですからね。残るはオンラインのMMORPGくらいか。ブラウザゲームの類はマシンパワーとかどうでもいいし。でも、Core i7で動かすと、何やっても速いですよ」
美和「拡張性のことを考えると、この3機種ではEndeavor Pro4700かな?」
小西「筐体がよくできていて、拡張しやすいですね。中も余裕があるから、今後登場する巨大グラフィックスカードでも入りますよ」
美和「静音性はどうなんですか?」
小西「実はどれも意外と静かなんです。今回テストのために机の上に置いて使いましたが、空調のノイズがあると、パソコン本体の動作音はほとんど聞こえません」
美和「なにか特別なCPU静音クーラーとか使ってるのかな?」
小西「CPUクーラー自体はそれほど特別な設計のものではないですね。筐体自体の静音性が高いのと、CPUが非常に高速で、ベンチで負荷をかけてもファンが全力回転することがほとんどないからです」
北村「Pentium Dは『TDP 130W級』で、本当に電気を食いました。Core i7-900番台は同じくらいのTDPだけど、速いので実際にそんな電力を食う場面がないですからね」
美和「HDDをいっぱい載せられるのは、タワー型の利点だろう」
北村「HDDなんか、NASやUSBでいいでしょう?」
小西「高速なNASは高いですし、USB接続は遅いですよ。HDD自体や内蔵インターフェースはSATA2などでどんどん速くなってるのに、USB HDDじゃ性能が出ない。メインのストレージにはなりませんよ」
橋本「USB 3.0が普及すれば、また話は変わりそうですが。この種のインターフェースはインテルチップセットに標準搭載されるまでは、なかなか広がりませんからね」
岡本「タワー型はやはり、ハイエンドのGPUを交換して使いたいという人のものでしょう。そうでなければゲーム用途でも、ミドルクラスのGPUで十分ですから」
小西「今回紹介したなかでは、HPのe9280jpがそういう製品ですね。筐体内の余裕から電源ユニットまで、ミドルクラスGPUまでを想定した製品です。逆にPro4700やNEXTGEAR i500PA1は、ハイエンドGPUを動かせるパワーと余裕があります」
北村「ヘビーゲーマーだと、GeForce GTX 275以上のGPUは欲しいですね。そうなると電源は600W級が欲しいところか」
岡本「Pro4700はちょうど670W電源ですね。i500PA1は850Wか」
小西「i500PA1は、電源のパワーは申し分ないですね。ただ、300mm超のグラフィックスカードは搭載できないので、この先登場するウルトラハイエンドカードを想定するとちょっと不安が残る。イチオシにPro4700を選んだのは、その理由が大きいです」
岡本「そろそろAthlon 64世代の古いタワーを処分して、Core i7あたりを買った方がいいのかな……」
小西「それだけ性能差があると、何もかも変わりますよ。性能が高いCPUは何をやらせても速いので、全力で動くことがない。そうすると消費電力も意外に少ないんです。Nehalem世代CPUの電力制御はよくできてますよ」
美和「パワーが欲しい人はだましだまし古いマシンを使うよりも、Core i7のタワー型を買って速さに酔いしれろ、ということだね」
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