Pentium 4時代にチップセットベンダーの
顔ぶれは激変する
その後、インテルは電気的安定性や供給電力の増加に対応するため、バスプロトコル自体はP4のままでパッケージをLGA 775に変更する。当然チップセットベンダー各社もこれにも対応した製品を出すわけだが、ここいらから雲行きが怪しくなってきた。
まずVIAは互換CPUの絡みもあってインテルと法廷闘争に入り、最終的に2003年に和解したものの(関連記事 )、この結果チップセットに関しては、2007年までしか発売できないことになった。訴訟の結果により、VIAのインテル向けチップセットビジネスは2005年あたりで新製品の投入は終わり、ビジネスそのものも2006年中にほぼ終了する。
またULi(ALiのチップセット部門が2002年に分社化)は、2005年末にNVIDIAに買収されてしまう。発表済み製品の生産こそ続けられたものの、新製品の投入はこれで終わる。
さらに、2006年にATIがAMDに買収されたため、ATIのインテル向けチップセットも事実上終了することになる。その代わりといっては何だが、NVIDIAが2006年になって、ようやくインテル向けチップセットビジネスに参入している。
結局のところ、2007年時点でインテル向けチップセットを発売しているのはインテル、NVIDIAとSiSの3社となっている。そして長らく続いたLGA775に変わり、2008年にインテルは、Core i7でLGA 1336、2009年にはCore i7/i5でLGA 1156という2種類のパッケージを導入した。今のところインテルは、これら新CPUに対応したバスライセンスをNVIDIAやSiSに提供していないため、今後はインテルのみがチップセットを提供する、という構図になるのかもしれないというのが、現時点での状況である。
ちなみにインテルには、もう一種類ソケットのラインナップがある。元々は2003年に、モバイル向けにPentium Mをリリースするにあたって投入されたもので、信号そのものはP4バスプロトコルながら、デスクトップ向けとパッケージは異なる。プロトコルそのものがP4バスとあって、インテル以外にVIA、SiS、ULiも製品を提供したほか、ATIもこれに対応した製品をリリースした。
また2008年には、同じP4バスプロトコルを使うAtomプロセッサーが登場。2009年にはこれをサポートしたチップセット「NVIDIA ION」をNVIDIAが投入している。ただ、すでにPentium Mはごく一部の用途以外では販売されておらず、Atomも次期製品はMIPI CSIと呼ばれる別インターフェースの製品が用意されるので、こちらについても今後の動向は不明になっている。

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