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テレビ業界2009年最大の衝撃!! 

「CELL REGZA」の産みの苦労とポテンシャルに迫る【後編】

2009年11月04日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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究極のテレビだからこそ、デザインにもこだわる

上質なデザインを採用するCELL REGZA

上質なデザインを採用するCELL REGZA

 最後にデザインについても触れたい。「CELL REGZAは今考えられるテレビの理想を追求したもの。それはデザインも同様です」(本村氏)。テレビに関わるすべての人が理想を目指したものなのだ。フレームのデザインはアルミの質感を生かしながらも流行の光沢仕上げではなく、マットなものとした。画質を重視するなら、画面の周囲のフレームは存在感を抑えたマット調の方が映像に集中しやすい。そしてインテリアとしての佇まいにもこだわった。

 しかもフレームの周囲はスモーク素材を組み合わせたもので、シンプルながらも異なる素材による調和が美しい。そして、前面はムダのないシンプルなものだが、側面や上面を見ると優雅なカーブを組み合わせた形状になっており、組み立てに手間がかかるものをあえて採用しているという。パーツとパーツの合わせ目が目立たないのは当然。ついつい正面から眺めてしまいたくなるCELL REGZAだが、上下左右さまざまな角度から見ると、そのこだわりのデザインに改めて魅了されるだろう。

 そのこだわりは「CELL BOXユニット」やリモコンにも及ぶ。CELL BOXユニットは、ヘアライン仕上げのアルミ材で構成されたシンプルな造形。ボタン類が一切見えないシンプルな造形は、海外製の高級コンポーネントに通じるものがある。

2段階にスライドするリモコン

 そしてリモコンは、基本的なボタン配置は従来の「レグザリモコン」を踏襲するものの、より高級感を高めたデザインとなった。必要に応じて収納できる2段階スライド方式の隠しパネルは、開けたままでも不自然な印象を受けない。そしてタッチパッドやリモコンの向きを気にせず使えるデジタル無線方式を採用するなど、美しさと機能性を高度に両立させている。

 ユニークなところでは、万一リモコンの場所がわからなくなったとき、CELL BOXユニット側で操作することで、リモコンがアラーム音を発して場所を知らせる機能までも備えている。この徹底したこだわりには頭が下がる。


CELL REGZAで広がるテレビの未来形

CEATECで参考展示された3D REGZA(左)と4K2K REGZA(右)

 すでに発表されているように、CELL REGZAはこれからも進化していく。「55X1」を後継するハイエンド路線としては、4K2Kの高解像度化や3D表示への対応が見込まれている。

 一方で、より身近に(低価格化)していく路線は、より小さい画面サイズのモデルやチューナー一体型モデルも準備している。機能をシンプル化してより低価格化する方向も検討されているし、省略された機能はオプションとして必要に応じて後から追加できる構想もあるようだ。

 もう1つ、CELL REGZAで気になったことがある。それはモニター部にもHDMI端子が2系統(1系統はCELL BOXユニットとの接続用)、D5端子1系統、ビデオ入力端子を備えること。筆者はこれを見て、モニター仕様の発売や、CELL BOXユニットだけの販売の可能性があるかと早合点したのだが、それは間違いだった。

 モニター部の映像入力端子はゲーム用だという。CELL BOXユニット内での映像処理を経由せずに表示することで遅延を最小限に抑えることができるそうだ。とはいえ、バックライトのLED駆動はモニター側で行なっているので、「エリア駆動」などは行なえるし、実は超解像処理の一部もモニター部に備えているそうだ。モニター部への直接入力でもかなりの高画質らしい。

 なお、CELL REGZAの前に発表された「ZX9000」シリーズで採用された、最短で表示遅延を約1フレームにまで抑えた「ゲームモード」や、多彩な「ゲーム用画面モード」は採用されていないが、これもアップデートによる追加が検討されているという。理想のテレビは、ゲーム機との接続も決して忘れていないというわけだ。CELL REGZAを購入しようと思う人は、ぜひともこの圧倒的な高画質で、ゲームも存分に楽しんでもらいたい。

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