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View 4に搭載される新しいプロトコル、そしてハイパーバイザーとは?

CVP端末やPCoIPも披露!VMwareのデスクトップ仮想化戦略

2009年10月22日 08時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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仮想デスクトップのためのPCoIPとCVP

 セッションでは、仮想デスクトップ環境を強化するために開発が進んでいる「PCoIP」とモバイル向けのデスクトップ仮想化戦略も紹介された。

 PCoIPは「PC over IP」の略で、サーバ上で動作する仮想デスクトップの画面イメージをクライアントに転送するためのプロトコルの仮称となる。Windowsがターミナルサービス(リモートデスクトップサービス)などで利用する「RDP(Remote Desktop Protocol)」のVMware版。ビデオ関連ハードウェアのロジックをソフトウェアに起こして設計したブイエムウェアらしいプロトコルで、今までの低速なCPU、細い帯域での利用だけではなく、高速なCPUと広帯域での環境も想定した拡張性の高さが大きな売りとなる。

 PCoIPの特徴の1つが、動画表示への対応だ。テキストや動画などのメディアをダイナミックに判断し、圧縮率を動的に変更する。HDの解像度まで対応するとのこと。会場内で行なわれたデモでは、仮想デスクトップ環境でWindows Media Playerによる動画再生を行ない、きちんと映像が表示されることを示していた。ネットワークの帯域幅が狭い場合、まずぼやけた画像が表示され、徐々に鮮明な画像になる仕組みを持っている。BMWがすでに導入しており、リモート環境での車の設計に利用しているという。

会場で行なわれたPCoIPのデモ。左側のリモートデスクトップに比べて、右側のPCoIPではなめらかな動画再生が実現している

 このPCoIPは、年内に発売予定のVMware View 4から搭載されるという。

 一方、モバイル向けのデスクトップ仮想化に関しては、インテルのvPro上でハイパーバイザを動作させる「CVP(Client Virtualizetion Platform)」、モバイル端末からのVMwareへのアクセス、そして複数の携帯電話向けの仮想化を実現する「VMware Mobile Virtualization Platform(MVP)」の3つの戦略が披露された。

 CVPは名前の通りクライアント用の仮想化ソフトウェアだが、「VMware Workstation/Fusion」や「Windows XP Mode」などとは異なり、ハイパーバイザー(ベアメタル)型の仮想化ソフトウェアだ。会場ではCVP対応のPCや専用端末も展示され、注目を集めていた。

会場で展示されたCVP対応のPC。起動するとデスクトップを選択するメニューが出るという

コントロールパネルを見ると、ハードウェアがハイパーバイザ配下で認識されているのがわかる

 当然ながらVMware Workstationの後継製品ではなくて、前述のオフラインデスクトップ用のハイパーバイザーである。インターネット接続環境がある場所ではPCoIPを使ってクラウド上の仮想デスクトップにアクセス。そして、通信が行なえない場所ではCVPを使い、ローカルで仮想デスクトップを実行するというわけだ。これを利用すると、どのPCを使っても、自分のデスクトップを簡単に呼び出すことができる。たとえばCADの場合は、大型ディスプレイがつながったデスクトップPC、メールやグループウェアメインの連絡業務の際は安価なノートPCといった具合に、用途によって使い分けることが可能になる。

 CVPはまだ開発途中であり、正式提供は2010年になる予定だ。そのため、現行のVMware Vire 3.1と同様に、VMware View 4でも「試験的なサポート」となる。

 また、MVPに関しては端末の試作機が展示会場に用意されていた。携帯電話上で、Windows MobileとAndroidを両方動作させるといった仮想化プラットフォームを実現するという。

世界に3台しかないMVP専用のモバイル端末も披露された

CVPやMVPなどデスクトップの仮想化に関して、一部事実の誤認がある旨、読者から指摘を受けました。読者・関係者の方にお詫びするとともに、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2009年10月23日)

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