ビビットなカラーリングと質実剛健なボディの組み合わせ
「FMV-BIBLO LOOX C/E70」のディスプレーサイズは11.6型(1366×768ドット)。まだ10型クラスが多いネットブックに比べると若干大きく、一般的なモバイルノートと大差ない。厚みも最薄部で26.4mmと、十分にスリムだ。出っ張りなどがなく、鞄にスッと入りそうで好印象だ。
一番の特徴は、仕上げの美しい天板だろう。シンプルな光沢仕上げで、過度な装飾はない。無限大をあしらった富士通の企業ロゴが本体右上に、富士通ロゴが手前中央にあるが、どちらも適度な大きさである。色は黒(シャイニーブラック)・赤(ルビーレッド)・青(マリンブルー)の3色。今回試用したのはルビーレッドの「FMVLCE70R」だが、非常にビビットな色彩で目を惹く。
キーピッチは、主要なキーの場合19ミリで、ほぼ正方形。エンターキー周辺のキーだけは、横幅が少し狭くなっている。全体的にゆったりとした作りで、タイプはかなりしやすく、ミスタイプはしにくい印象を受けた。
また、見た目ではわかりにくいが、キーボードにはもうひとつ「仕掛け」がある。実は、「FMV-BIBLO LOOX C/E70」のキーボードは「バスタブ構造」になっているのだ。バスタブ構造とは、キーボードの下に「風呂桶」状の器があるような構造のこと。マザーボードなどの上に器があるような状況になるため、キーボード面から液体が侵入しづらい。万が一飲み物などをこぼした時に、一般的な構造のキーボードよりも故障につながりにくい。ネットブックを含めた「価格重視のノート」ではあまり採用されていない構造である。
持ち歩くものだからこそこだわりたいのが「堅牢性」だ。特に天板は、満員電車などで押された時の対策のため、それなりの堅牢性が求められるところだ。「FMV-BIBLO LOOX C/E70」では、天面からの1点加圧で35kgfに耐えうるだけの設計が行なわれ、液晶ガラス面についても、加圧試験が行なわれている。もちろん、すべてのシーンで故障がないことを保証するものではないが、安心できる。
本体のもう1つの特徴が、「メンテナンス性の高さ」だ。本体底面から、メモリーやハードディスクに簡単にアクセスできる。ネットブックとCULVの大きな違いの1つが、「搭載可能なメモリー量」である。ネットブックの場合、搭載可能なメモリー量は、ほとんどの機種で2GBまで。ネットブックの処理速度に見合ったソフトだけを使うならば、この量でもそんなに問題はない。だが、CULVはもっと性能の伸びしろがある。メモリーは搭載出来る限り搭載したい、と思う人もいるだろう。
「FMV-BIBLO LOOX C/E70」の標準搭載メモリーは2GBだが、システム的な搭載可能メモリー量は4GBとなっており、いざという時に能力を高めやすい。モバイルPCはメモリー追加作業がやりにくい機種も多いが、すでに述べたように、「FMV-BIBLO LOOX C/E70」は作業がとにかく簡単。こういった部分の充実は、長く使う上でありがたい。