このページの本文へ

松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第92回

モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察

2009年10月20日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

使い込むほどに
個性が出てくるiPhoneのホームスクリーン

 今までに僕がダウンロードしてみたアプリは計357本、現在iPhoneに入れているのが96本。96本のうち1日1回は起動するアプリが16本、2~3日に1回起動するアプリが16本、ときどき起動するのが残りという内訳だ。この内訳はiPhoneのホームスクリーンの画面に反映されている。

 ホームボタンを2回押すと出てくるデフォルトのスクリーンには、iPhoneのネイティブアプリを集めている。そして2ページ目が1日1回起動するアプリ。3ページ目以降が2~3日に1回起動するアプリのページとなる。「iTunes 9」とiPhone OS 3.1の組み合わせでは、iTunes上でアイコンの配列を設定できるようになったので管理が楽になった。

 配置自体にも少し工夫している。

 最近iPhoneを片手で持つスタイルをメインにしているが、親指でリラックスして操作できるのは端末の下半分。そこで、よく使うアプリはできるだけ下2段に配置している。これならDockに入っているネイティブアプリと合わせて、よく使うアプリほど少ない指の動きで起動できる。

 ということでアイコンの並びを見ていくと、自分がよく使うアプリがわかるが、自分のiPhoneにはTwitter系、カメラ系、メモ系、辞書系、という順で揃っている。

2枚目

2枚目のスクリーン。親指に近い右列にはTwitterクライアント系、2列目はメモ系、3列目はiMandalAart(アイディアプロセッサ)、4列目はOmniForcus(タスク管理)。そのほか辞書系、検索系、SNSやRSSリーダーなどのアプリを揃えて日常使っている

3枚目

2~3日に1回以上の頻度で起動するアプリを揃えているつもりだったが、1枚目に入りきらないが毎日アクセスするニュース系、カメラ系のアプリに浸食され始めている

 もっともiPhoneのホーム画面に何のアプリを並べるかは人によってバラバラだろう。iPhoneの外観はホワイトとブラックの実質2種類しか存在しないが、実は中身は大きく違っているのだ。

 文章処理系のアプリが多い、カメラアプリで1スクリーン使い切っている、ゲームが30本入っているなど、その人がiPhoneをどうとらえているか、どう使っているかによってホームスクリーンの構成が変わる。これが端末の個性を表現している。iPhoneのホームスクリーンを飾るアプリは個性を表現する1ピースなのだ。

 その個性を表現する1ピースを膨大な数のアプリから選べる、もしくはそもそもアプリ自体を自分で作れるのがiPhoneである。追加アプリをiPhoneのモジュールと考えるだけでなく、個性を構成するパーツととらえることもまた、iPhoneとiPhone用アプリの魅力だと思う。

並び替え

アイコンを長押しすると動かせるようになる。出先でも簡単にホームスクリーンのアレンジが可能で、常に自分の生活にぴったりの布陣で臨める

 ケータイのハードウェアの進化はめざましい。電子ペーパー、ハイビジョンカメラ、ソーラーパネルなども、もちろん魅力的な要素だし、日本のケータイが世界で一番おもしろい進化を遂げていることは間違いない。しかし買ってしまえばそれでおしまいのハードウェアで変化する個性を縛れるものだろうか。

 iPhoneのホームスクリーンをちょくちょく調整しながら、最近そんなことを考えるようになった。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン