いよいよ本番 ペン入れ編
髪や顔など、細かい下絵の調整を終えたら、次はいよいよペン入れ。
まずは下絵を描いたレイヤー群の上に白くベタ塗りしたレイヤーを作成し、いわゆるトレーシングペーパー代わりにする。それが出来たら下絵で使ったレイヤーはまとめて「下書き」としてグループ化し、その上にあらためてペン入れ用のレイヤーを作成する。
ここで使うのは1pxの最も細いブラシ。ここは「シェイプ」のチェックを外しておくこと。下書き時と異なり、筆のように伸びやかな線ではなく、ペンのかっちりした線を引くためだ。
ここのポイントはとにかく画面を拡大し、回転させまくること。線の方向を下向きにして元気な線を引くため。指先での1ストロークで引ける長さは限られている。そこで1回に引ける線の長さを基準にして画面の大きさを決めることになる。
ペンの線を引く際、下書きに引きずられず、自分で判断した線を引いていくのが大切なところ。そしてINOさんが口をすっぱくして語るのは、プロとして「描き込みすぎない」こと。ファンは細かい書き込みを見たいわけではなく、それなら構図やポーズ、食いつきやすいネタなどに時間を割くべきというのがINOさんの考え方だ。
ともかく体をあらかた描き終えたら、今度はいよいよ顔。顔用のレイヤーを作成したら、下書きレイヤーから線画部を選択し、顔に当たる部分をえんじ色に塗りつぶす。顔は下書きでかなり描き込んでいたので、使えるところはそのまま使うのだ。
ベタ塗りレイヤーをAltを押しながら選択すると黒バックになり、ちょっとした消し残しなどのゴミが分かりやすくなるため、こまかい修正はこれで行なう。
目鼻の位置が決まったら、瞳にハイライトを入れる。光の輪を2つ描き、上下にそれぞれ1つずつハイライトを入れる。とくに光源を設定しているわけではなく、入れやすいところに入れている。
下のハイライトは少しボケたブラシで置き、位置が決まったらトーンカーブを調整してシャープにすること。
トーンカーブは同じように、修正をかけるときにも使える。たとえば手の位置をワープ変形で修正したとき、そのままだとややボケた線になってしまうため、トーンカーブで同じくシャープをかけておく。彩度や明度などの調整以外にも使える便利な技なので、しっかり覚えておきたい。
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