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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第85回

ドコモ「L-05A」によるデータ通信は生活の何を変える?

2009年08月18日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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iPhoneを使い始めることで
ノートPCでのデータ通信サービスに興味を持った

 東京で生活している筆者はiPhoneの導入以前は、外出先でのネット環境は無線LANだけで暮らしていた。もちろんイー・モバイルなどの3Gデータ通信もチョイスとしてあったし、実際に検討していたものの、家でできる仕事がメインだったこと、大学を始め、しばしば行く場所には無線LANがあったため、ポイント単位でネットに接続できればそれほど不便ではなかった。

 また公衆無線LANサービスも契約して試しに使っていた。今振り返ると、大学やオフィスなどの良く行く場所、カフェや駅などの公衆無線LANエリアなど、ネットに必ずつながる「拠点」を街の中にばらまいた状態で街の中を移動している生活だった。

 仕事上、ネットにつながる事よりも、手になじむ打ちやすいキーボードが確保されたMacBook Airが机でも膝の上でも開ける事が重要だった。必要であれば、そのエリアに入って通信をすればよい。この使い方だと「情報を作ってはき出す」「情報を受信して処理する」という“モード”がばっさりと分かれていたように思う。

 これが、iPhoneを手にしてから変わった。

 iPhoneは画面や利用できるアプリケーションやサービスが限られるが、3G回線でどこでもつながる。メールもポケットから出した瞬間にチェックできるし、ウェブにもアクセスできる。最もインパクトがあったのが、Twitterを常時チェックできるようになったことかもしれない。

iPhone+Twitter

iPhoneのTwitterクライアント「Tweetie」で、いつでもどこでもTwitterのタイムラインを閲覧・書き込みできるようになった。これによりTwitterとの付き合い方は大きく変わった。画面は別の場所で行われているイベント「TEDxTokyo」のライブ中継を閲覧中のもの

 これまで点でアクセスしてきたインターネットが、移動中などの線でアクセスしている状態になった。意図的にiPhoneを見ない、という時間を作るとしても、必要であればすぐにiPhoneの画面からウェブにアクセスが可能なのだ。

 日本のケータイでも同じ事だったと思うが、自分の中で、「線で使ってきたケータイのインターネット」と「点で使ってきたパソコンから使うインターネット」でどこか線引きをしていて、iPhoneはいわば「線で使えるパソコンのインターネット」のような体験になったのではないだろうか。

 iPhoneのポケットから取り出して1秒でウェブにつながる手軽さによって、動きながらパソコンで使えるインターネットに触れてしまったがために、パソコンからも動きながらインターネットにアクセスすることに魅力を感じ始めたのである。

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