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主婦発のEC革命!「益子焼」検索上位店のブログ道 (1/3)

2009年07月16日 08時00分更新

文●三浦たまみ

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なぜ、あのネットショップは今日も繁盛しているのか? なぜ、自分のショップでは商品が売れないのか?
他にはない強い商品開発力、他店を引き離す圧倒的な集客手法、一度捕まえたお客を逃がさない囲い込み術……と、成功したネットショップには現場で蓄積されたノウハウがある。本連載では、全国の優れたネットショップの事例からそのノウハウを公開。あなたのショップの“勝ちパターン”を見つけるヒントにしよう。⇒連載インデックス

■今回の成功ネットショップ:
益子焼販売『和食器販売~樂raku~』


2004年、益子焼の食器販売のネットショップを開店。当初は栃木県芳賀郡益子町で開催される陶器市で商品を仕入れたり、益子焼を制作する作家と直接提携して販売していたが、2005年10月より益子焼大手専門店「やまに大塚」1社と提携。ドロップシッピング形態のネットショップに切り替える。月商非公開。

ブログでのネットショップ構築をイチ早く実行!

 益子焼の食器販売を手掛ける『和食器販売~樂raku~』の店主・関口むつみさんは、ブログでネットショップを作った先駆者の一人。同店が開業した2004年7月当時は、ネットショップに適したデザインテンプレートがあまりなく、ショッピングカートとも連動させなければならないなど、ブログを独自にカスタマイズできる専門知識が必要でした。ネットショップ開業前、LAN設置工事や社内サーバー管理業務などの経験があった関口さんは、ネットに関する情報感度は高く、ある程度の知識は持ち合わせていました。それでも、ブログ構築はまったく未経験の分野。関連本を熟読し、バナー制作などは友人に依頼しながら、必死でブログで構築するネットショップを立ち上げた経緯があります。


集客の観点からブログでのショップ構築を検討

ネットショップ店主

「和食器販売~樂raku~」の関口むつみさん

 関口さんがブログでのネットショップ作りにこだわった大きな理由のひとつが、2004年当時、ブログがSEOの観点から非常に有効だったから。実は関口さんは、2003年に知人のネットショップ構築をボランティアで手伝って“失敗”した経験があり、その教訓を自身のネットショップではフルに活かしているのです。

「知人のネットショップは、半年間、商品はひとつも売れず、アクセス数も1日5~10程度しかないなど悲惨な状態でした。敗因は明らか。誰に、何を、どんな理由で買ってもらうかといった、モノを売る基本的な考え方である5W2H(※)などの考え方も知らず集客プランも練らず行き当たりばったりでオープンしたからです。そこで、自分のネットショップでは、『主婦が普段使いできる益子焼の食器を販売する』など、あらかじめ明確なコンセプトを立て、同時に、集客に結びつけるにはどうするべきか模索していったんです」

 ここで関口さんは、ネットショップそのものをブログで構築する方法にたどりつきます。ブログのシステムは、以下の理由からSEOに有効で集客に結びつきやすいといわれます。

  1. デザイン要素はスタイルシートに集約しており、検索エンジンがHTMLを読みやすい
  2. コメント機能が活用されれば、キーワードの出現率が高くなる
  3. トラックバック機能があるので、被リンク数が多くなる
  4. 新商品情報などをRSSで発信できる

「実際、ネットショップをオープンしたら、検索エンジンに『益子焼』などのキーワードを入力すると安定して上位に表示される期間が何年も続き、SEOに効果的だと実感しました」

 もちろん、ブログでサイトを構築したショップが皆、成功するわけではありません。関口さんの場合、技術的なことだけでなく、ターゲットである主婦層に受けいれられるデザインや色合いを追求し、さらには、買い物のしやすさをはじめ使い勝手も十分に考え抜いたショップを構築できたからこそ、売上げに結びついたといえます。

※5W2H……ビジネスにおける意思決定条件を表したもの。when(いつその商品を使うか)、where(どこでその商品を使うか)、who(誰がその商品を買うか)、what(何を買うのか)、why(なぜその商品を買うのか)、how(どのようにその商品を使うのか)、How much(いくらでその商品を買うのか)。ネットショップにおいて、これら5つのWと2つのHを追求することが大切。

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