KVMスイッチやシリアル機器、電源管理などITインフラの統合管理製品を提供するアボセントジャパンは、新たに「AMIE(エミー)」と呼ばれるデータセンター資産管理ツールを提供開始した。見ればなかなかよくできたこのツールで、データセンターの設計や管理がどう変わるのだろうか?
課題の多いデータセンター設計
解決策は?
ITのインフラを一手に担うデータセンターだが、その設計は非常に難しい。ラックの利用を適切に行なうとともに、電力の利用効率を最大化しつつ、コストや人的リソースを抑えるという複雑な方程式を解いていく必要がある。
しかし、多くのデータセンター事業者は、この方程式の解を導き出せてはいないらしい。米国のデータセンター事業者の団体であるAFCOM(Association for Data Center Professionals)が19のデータセンターについて調べたところ、平均で2.6倍のコスト超過に見舞われているという。また、消費電力の40~60パーセントは冷却用途に使用されているという状態とのこと。適切な設計ができれば、超過コストを下げ、利益を生みだしたり、サービスに転嫁することが可能になるはずだ。
これを実現するのが、アボセントのデータセンター資産管理ツール「AMIE(Avocent MergePoint Infrastructure Explorer)」である。アボセントジャパンの長谷川和宏氏は「データセンターの物理的な設計やデザイン、ドキュメント化、そしてレポーティングなどを総合に行なうのがAMIEです。AMIEを使えば、データセンターの物理資産を一望し、ライフサイクルをきちんと回すことが可能になります」とAMIEについてこう説明する。
百聞は一見にしかず
ビジュアルで見る「AMIE」
AMIE本体はLinux/Windows上で動作するソフトウェアで、米国では昨年から販売されているという。日本ではAMIEのバージョン2.0が6月から出荷されている。
AMIEでなにができるのかは、実は画面を見た方が早いだろう。今回はグローバルに展開しているデータセンター事業者での運用・管理やプランニングという設定で、大量にキャプチャ画面を用意してもらったので、これを元に説明する。まずはログインといくつかのビューを見ていこう。
このようにAMIEでは、データセンターの物理インフラをビジュアル画面でグリグリ見ることができる。もちろん3Dというわけにはいかないが、まるで実際のデータセンターの中で作業するように各機器の状態が確認できるわけだ。
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