PowerShell 2.0でコマンドラインツールをさらに強化
Windows Server 2008に標準搭載されたコマンドラインツール「PowerShell」は、Windows Server 2008 R2では「PowerShell 2.0」にバージョンアップする。240個以上のコマンドレットが組み込まれ、GUIベースの開発ツールが搭載される。さらに、標準搭載するGUIベースの管理ツールとの関係が大きく変更される。
そもそもWindows Serverの管理はGUIツールが基本であり、コマンドラインによる管理機能も欲しいという声に応える形で、徐々にコマンドプロンプトの強化やPowerShellの搭載が行なわれてきた。この結果、Windows Server 2008までの管理機能は、GUIツールとコマンドラインという2系統の管理機能が別々に存在する状況になっていた。一方、Windows Server 2008 R2では、実際に管理操作を行なうのはPowerShellだけとなった。もちろんGUIツールがなくなるのではなく、GUIツールは実際に管理操作を行なうPowerShellのスクリプトを生成する役割を持つようになったのだ。
これにより、GUIツールで行なえる管理操作はすべてPowerShellから行なえるようになり、また一度行なった管理操作を保存して再利用するといった事も可能になる。Windows Server 2008 R2の目標の1つは、管理における自動化の促進であり、PowerShellの強化と位置づけの変更は、自動化を推進するための大きな機能といえる。
その他にも多くの機能が搭載
Windows Server 2008 R2は、Windows Server 2008のマイナーバージョンアップという位置づけだ。そのため、カーネルレベルでの大きな改良は行なわれていない。しかし、これまで3回にわたって見てきたように、Hyper-Vは大幅に強化され、VDIの機能が加わり、さらにVHDブートやPowerShell 2.0の搭載など魅力的な機能がいろいろと追加されたサーバOSである。
米マイクロソフトはWindows 7の発売日を10月22日と公表しているが、Windows Server 2008 R2の発売日は表明されていない。しかし、両OSはほぼ同時期の発売といわれており、早ければ年内、遅くとも2009年度中には発売されると見られる。Windows Server 2008からすぐにバージョンアップする必要性は高くないが、Windows Server 2003やWindows 2000 Server、さらにはWindows NTの管理者は、そろそろ移行の予定を立て始めてはいかがだろうか。