8月6日、マイクロソフトは次期サーバOS「Windows Server 2008 R2」の発売日と参考価格を発表した。発売日はボリュームライセンスが9月1日、パッケージ版が10月22日でWindows 7と同日。参考価格はStandardのOpen Businessライセンスが14万円(税別)などで、Windows Server 2008と同額となっている。
同日行なわれた発表会では、マイクロソフトの五十嵐光喜氏が登壇し、Windows Server 2008 R2の新機能や機能強化点、そして販売戦略が語られた。
R2は単なるリビジョンアップではない!
2005年に発売されたWindows Server 2003 R2は、その前バージョンであるWindows Server 2003から大きな変更や機能追加はなかった。それでは、今回発表されたWindows Server 2008 R2と現行のWindows Server 2008との関係はどうなのか。この点について、発表会の冒頭で五十嵐氏が強調したのが、「Windows Server 2008R2は、単なるリビジョンアップではない」という点だ。
Windows Server 2008 R2の特徴として五十嵐氏が挙げたのが、「進化したハードウェアを活かしきるOS」。4コアから6コア、さらにそれ以上へと「メニーコア」化が進むCPUにあわせ、対応コア数は現状の最大64コアから最大256コアにまで拡張される。
また、サーバの高密度化にあわせて重要度の増す省電力化についても、アイドル状態のコアを停止させる「CoreParking」が搭載される。CoreParkingを使うことで、CPU負荷が高くない時には約20%の消費電力削減が可能になるという。サーバにおいては、CPU負荷が70%を超える状態が常時続くことは少ない。つまり、CoreParkingが効果を発揮するケースは多いというわけだ。
そして、急速に導入企業が広がっているサーバ仮想化への対応として、Windows Server 2008 R2には「Hyper-V 2.0」が標準搭載される。このHyper-V 2.0では、ライブマイグレーションへの対応など、他社のハイパーバイザーとほぼ同等の機能を持つに至っている。また、発表会では触れられなかったようだが、I/O処理の仮想化を支援するインテルの「VT-d」など新しい仮想化技術への対応もHyper-V 2.0の売りである。
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