世界初の変調方式を採用
得意のマイクロセルで実使用での快適さを目指す
ウィルコムによる次世代PHS技術「WILLCOM CORE XGP」。4月に法人向けの試験サービスが始まっていたが、個人やメディアを対象としたモニター試験などは行なわれていなかったため、やきもきしていた人も多いことだろう。
しかし6月17日から、メディアを対象としたデータ通信カードの貸与が始まった。幸いにもASCII.jp編集部もその枠に加われたので、編集部のある新宿周辺で早速テストを実施した。
まずはどうしてこのタイミングでメディア向けテストがスタートしたか。これについては基地局の調整を進めた結果、テスト用に貸与されたデータ通信カードにおいて、256QAMでの接続が可能になったためと説明された。
256QAMは変調方式の一種で、一度に256値(8ビット)のデータを載せることができる。しかし従来から用いられてきた16QAM(4ビット)、64QAM(6ビット)などと比較すると、通信速度が上がる分、ノイズなどには非常に弱くなる。
当初はその現実性さえ疑われた屋外での256QAMは、ウィルコムとしても「大きなチャレンジ」だったとする。説明会ではそれを実現した同社の技術に自信を見せた。なお、現時点で256QAMによる通信可能な一例として虎ノ門のウィルコム本社屋上にある基地局の場合、ビルからおおよそ200~400メートルの範囲だとする。
これは正直狭い範囲であるようにも感じるが、都市部を中心に基地局を密集して設置する、マイクロセルのシステムを採用したXGPだからこそ意味がある方式という言い方もできるだろう。
