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Excelでマスター「ビジネスデータ分析」実践の極意 第5回

Excelグラフは魔物? それとも分析のミカタ!?

2009年06月17日 06時00分更新

文● 住中光夫

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グラフ分析は異常値分析

 グラフ分析の基本は、異常値を分析することから始めます。急激な落ち込みや伸びという「異常値の要因」は何かを検討するのです。グラフから異常値を発見し、分析する方法を解説します。


グラフの異常値を見る

 グラフではひと目で異常値がわかります。急激な落ち込みや伸びは誰でもすぐに判断できます。また、比較することで異常値を見つけ出すこともできます。そのため、グラフ分析は、異常値を見つけ出したり、異常値の要因を分析することから始めていきます。

● グラフから異常値をつかむ

異常値のあるグラフ

急激な伸びが異常値

 このグラフでは8月が落ち込んでいるように見えますが、実は7月が異常値で6月から8月9月と順調に伸びています。この7月の急激な伸びを分析することが異常値分析です。 


比較で異常値が見つかるグラフ

売上高と粗利高を比較した異常値発見

 このグラフは、得意先別の売上高順に粗利高を並べて比較したグラフです。ここでの異常値は、A社B社の粗利高です。A社の粗利率が低いのか、B社が逆に高すぎるのか、全社平均の粗利率の数字と比較して、その実態と原因を分析します。


2軸グラフで異常値が見つかるグラフ

2軸グラフで異常値発見

 このグラフは、営業担当別の得意先数(棒グラフ)と1件当たりの売上高(折れ線)を示した2軸グラフです。得意先数の上位3人は、得意先数と1件当たりの売上高が反比例しています。すると、営業Dの1件当たりの売上高が低いことが異常値であると判断でき、この原因を分析します。


● 異常値分析の進め方

 グラフでの異常値分析の進め方には、基本分析、比較分析、平均比較分析、傾向比較分析、そしてベストワースト分析の5種類の方法があります


キーワード――近似曲線

 Excelの折線グラフなどで利用できる傾向を表す統計曲線。グラフの上下が激しく、傾向が分かりにくい場合に、「近似曲線」を追加すると推移の動向(右肩上がり、右肩下がりなど)を知ることができる。

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