このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

Excelでマスター「ビジネスデータ分析」実践の極意 第5回

Excelグラフは魔物? それとも分析のミカタ!?

2009年06月17日 06時00分更新

文● 住中光夫

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「グラフ分析は異常値分析」操作解説
順位比較で異常値を見つける

順位比較グラフの作成

 異常値分析のひとつに、順位比較グラフを利用する分析方法があります。たとえば、売上高順グラフに粗利額を表示させて比較し、売上高順と異なる傾向を示すモノを、異常値として分析対象にします。


操作事例

 得意先別の売上額と粗利額を比較して、顕著な高粗利額や低粗利額の得意先を、異常値として分析対象に選びます。

 ここでは、ある担当者の得意先の売上額と粗利額を比較し、その後、粗利率を加えて異常値を分析します。


操作1――
得意先別売上額順粗利額表の作成

 サンプルとして「得意先売上粗利データ」のExcelファイルを開きます。ピボットテーブルを起動し、[担当者名]をページ欄へ、[得意先名]を行欄へ、[売上額]と[粗利額]をデータ欄へ、それぞれドラッグします(関連記事)。[担当者名]から「松枝実雄」を条件指定します。

分析元となるデータ

分析元となるデータ

ピボットテーブルで分析の準備

ピボットテーブルで分析の準備を進める


操作2――
データ欄の整理

 B3にある[データ]ボタンを、ここではC3の列欄へドラッグします。

[データ]ボタンを移動

[データ]ボタンをB3からC3の列に移動する


操作3――
売上額順に並べ替えてグラフ作成

 [売上額](B列)の任意の数値をクリックし、[降順に並べ替え]ボタンをクリックします。

 [グラフウィザード]ボタンをクリックし、積み上げ縦棒グラフが表示されたら、「集合縦棒グラフ」に変更します((関連記事))。

データの並べ替えとグラフ変更を実行

データを降順に並べ替え、集合縦棒グラフに変更する

解説――異常値を見つける

 売上額順に並んだグラフで、粗利額が前の得意先より多いものがあります。「スーパー夢」です。

異常値を発見

売上順に並べたのに、粗利額が前の店より多い、という異常値を発見

 これだけでは、「スーパー夢」が粗利率が高いのか、前の「スーパーレッズ」が低いのか判断できません。

 そこで粗利率を加えたグラフを作成し、異常値分析を行います。


操作4――
粗利率の追加と新規グラフの作成

 ピボットテーブルのシートに表示を切り替えて、[フィールドリスト]から[粗利率]をデータ欄へドラッグします。次に[グラフウィザード]ボタンをクリックします。

粗利率を追加

粗利率を追加して新規グラフを作成する


操作5――
粗利率表示のため2軸グラフに変更

 グラフが作成されたら、再び[グラフウィザード]ボタンをクリックし、表示された[グラフウィザード 1/4]画面で、[ユーザー設定]タブをクリックします。

 [グラフの種類]から「2軸の折れ線と縦棒」を選択して、[完了]ボタンをクリックします。

グラフウィザード

グラフウィザードで[2軸の折れ線と縦棒]グラフに変更


解説――
異常値を分析する

 このグラフを見ると、異常値は「スーパー夢」ではなく、「スーパーレッズ」の低粗利率であることがわかります。また、「六甲山」が高粗利率の異常値と判明しました。

 このように、順位比較や率比較によって異常値を発見し、その異常値に絞った分析を続けて行ないます。

異常値の理由

異常値の理由が、当該店舗ではなく、その直前の店舗の方にあることが判明。同時に別の異常値にも気づくことができた


■より詳しくなりたい人にオススメBOOK(Amazon.co.jp)


前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ