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「キーワード競合度」とは?

2006年08月16日 09時00分更新

文●権 成俊/株式会社ゴンウェブコンサルティング 代表取締役

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 たとえば、出張で新宿に宿泊したいビジネスマンがYahoo! JAPANでホテルを探す場合、“新宿+ホテル”というキーワードで検索するシーンを予想し、SEOを行う場合の競合度を考えてみましょう。

 実際に検索を行ってみると、右上に検索した結果、検出されたページ数として6,140,000件と表示されます。これはまさにそのキーワードセットで検索表示されるページの数です。
 これを競合の数だと考える方がいますが、これは少しでもキーワードと関連があるページはすべて含まれています。たとえば、新宿のホテルに泊まった方の日記とか、新宿の飲食店が駅からの道順を説明するために“ホテルを曲がって”、と書いてあるページもすべて含まれているのです。
 それらのページとSEOで競合した場合、ある程度意識的にSEOを行っていればほとんどの場合は用意により上位に表示することは可能です。むしろそれが検索エンジンの目指す表示順位決定のアルゴリズム(演算法、解法)なのです。
 それでは、SEOを行ったときに本質的に競合となるようなサイトはどのように見出できるでしょうか。それにはそれぞれのサイトのSEOの各要素の状況を点数化し、これを合算して考えていく必要があります。SEOの要素というと、一般的には以下の3つに大別されます。

1)テキスト要素
2)リンク要素
3)ポピュラリティ(張られているリンクの数と質)要素

 それぞれの詳しい説明はここでは割愛しますが、たとえばタイトルやメタタグに検索キーワードが含まれているかとか、キーワードがアンカーテキストに含まれているかとか、外部からの被リンクをどのくらい得ているか、などです。
 これらを検索上位のサイトについてすべて調べ、点数化し、対策サイトと比較していくことで、SEOを行ったときにどの程度の順位に表示されるかを判断できます。

 しかし、これを行うには検索エンジン、SEOについての見識が必要です。専門家でなければ有効なレベルでの推測は難しいでしょう。そのため、この競合度をもっともシンプルに測る方法はもっとも重要で、もっとも恒常性の高い要素について調べることです。たとえば、Yahoo! JAPANにおいてはこれがYahoo! JAPAN登録の有無に当たります。

Yahoo! JAPAN登録の重要性

 Yahoo! JAPAN登録とは、Yahoo! JAPANの審査を通過し、Yahoo! JAPANカテゴリにタイトル、コメント、カテゴリ名を登録されることを指します。Yahoo! JAPANは検索エンジンユーザーに紹介することでユーザーにメリットがあると判断されるサイトを登録します。登録をしたい場合は通常ビジネスサイトであればビジネスエクスプレスという審査を受ける必要があり、これは有償になりますが、ビジネスサイトであればこれは必ず行ったほうが良いと考えています。
Yahoo! JAPAN ビジネスエクスプレス http://bizx.yahoo.co.jp/

 Yahoo! JAPANに登録されると、登録サイト検索からも検索表示されるようになり、またweb検索からの検索に対しては上位表示されやすくなります。Yahoo! JAPANに登録されているということは審査をクリアしてYahoo! JAPAN自身が推薦しているサイトですから、当然のことと言えます。
 また、これをアルゴリズムの視点で考えると、Yahoo! JAPAN登録を行うとYahoo! JAPAN自身が日本国内でもっとも重要なサイトであると考えているYahoo! JAPAN自身からリンクを張ってもらうことになるので、リンクポピュラリティが上がり、上位表示されやすくなるわけです。

 Yahoo! JAPANではこのYahoo! JAPAN登録をしているかどうか、という要素がSEOを行う上でもっとも大きな影響力を持つ要素です。また、Yahoo! JAPANの審査をパスしなくてはならないこと、その審査が有償であることを考えると、同じキーワードで表示されるYahoo! JAPAN登録サイトはそう簡単に増えては行かないと考えられます。Yahoo! JAPAN登録という要素はそのSEO要素としての効果の大きさ、その要素の恒常性の2点で競合の数を把握するためのもっとも大きな要素であると考えられます。

競合度評価

 先ほどの“新宿+ホテル”の検索結果に戻りましょう。
結果表示画面を見ると、黄色いフォルダマークが付いているサイトと付いていないサイトがあることが分かります。このフォルダマークが付いているサイトが登録サイトです。つまりこのフォルダマークがあるサイトはYahoo! JAPAN登録されている分だけ未登録サイトと比較して圧倒的に有利な要素があるということになります。

 逆に、Yahoo! JAPAN登録を行っていないサイトは上位には表示されていますが、その理由はYahoo! JAPAN登録のような対策の付加が高い要素で負けているからではなく、比較的容易に対策ができる他の要素で負けているのだと予想されます。つまり、しっかりとしたSEOを行うことでその部分の要素の差を埋めることができればYahoo! JAPAN登録で優位に立っている分、より上位に表示することが可能なわけです。(もちろん、他にもリンクポピュラリティなどサイト外対策が必要な要素もあり、必ずしも他の要素のすべてが対策が容易なわけではありません)。

 そう考えると、大雑把な見方ではありますが、真のライバルはYahoo! JAPAN登録サイトだけ、と考えるとシンプルに競合を見抜くことが可能です。そのため、競合度はYahoo! JAPAN登録サイトを数えれば良いことになります。しかし、すべてのYahoo! JAPAN登録サイトを数える必要はありません。

 あなたが本気でYahoo! JAPANからのアクセスを増やしたいのであれば、検索結果の2ページ目まで、つまり20位までに表示させる必要があります。これは平均的な検索エンジンユーザーは検索結果ページの2ページ目までしか閲覧しないと言われているからで(実際に調査を行いますと、キーワードによって検索結果の閲覧ページ数は大きく異なります)。
 そうなると、20位までに表示させるための競合としては検索結果の20位までに表示されているサイトの中でのYahoo! JAPAN登録サイトの数を見るのが妥当であると考えられます。
もしもどうしても1ページ目、10位以内に表示したいのであれば10位までのYahoo! JAPAN登録サイト数を見れば良いのです。
 ただし、Yahoo! JAPAN登録を行っていないのに10位以内にランクインしているサイトであればそれ以外の要素で大きな加点を得ている可能性があり、これはこれで大きな競合である可能性もあります。そのため、20位くらいまでで見ておくことが統計的に有効な競合度の見方になると思われます。

 まとめますと、ターゲットとするキーワードでの競合の多寡を知りたければそのキーワードでの検索結果ページの20位までのYahoo! JAPAN登録サイト数を見てください、ということです。
 この登録数が少なければ競合が少なく、登録数が多ければ競合は多いということになります。

著者プロフィール

権 成俊
名前 権 成俊(ごん なるとし) info[アットマーク]gonweb.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ゴンウェブコンサルティング
サイト http://www.gonweb.co.jp/

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