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キーワード有効度調査の実践③

2006年12月14日 09時00分更新

文●権 成俊/株式会社ゴンウェブコンサルティング 代表取締役

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今回の内容で、『キーワード有効度調査表』(簡略版)が完成し、SEOを実施する上で最適なキーワードが見つかります。訪問者が多く、購買に結びつきやすいキーワードでの上位表示が可能になります。

 それでは、3つ目の分析項目である購買率を調査し、人気度・競合度・購買率の3つの角度から最適なキーワードを選び出していきましょう。

【step.4】キーワードのユーザーABC分析(購買率)

 キーワードの3つ目の指標が購買率です。検索数の多いキーワードでの上位表示に成功し、サイトへの訪問者が増加したとしても、購買意欲の低いユーザーしか訪問しないのであれば、商品の購買には結びつきません。ここでは、リストアップしたキーワードが、購買率の高いユーザーを誘導できるかどうかの評価を行いましょう。

 まずリストアップしたキーワードで検索するユーザーは、どのようなニーズを持っているのかを考えます。ユーザーのニーズと該当サイトの内容が完全に一致していればA評価、大部分は一致しているだろうと考えられる場合はB評価、あまり一致していなければC評価というように、ABCの3段階に分類します。ABCの評価は相対的に見込みが高いかどうかの分類なので、どのくらいの割合でニーズと一致していればAなのか、という明確な基準はありません。他のキーワードとの比較で段階を設定してください。ユーザーのニーズとサイト内容が一致しているほど、商品の購買につながります。

 ユーザーABC分析は、『キーワードアドバイスツール欄』の数値がある程度多く、最終的に選別されるターゲットキーワードになる見込みがあるものに対して行います。購買率が高くて、検索回数が極端に少ない場合は購買率に関わらず、ターゲットキーワードとして選定されないからです。大まかな基準としては、人気度、つまりキーワードアドバイスツールから調べた月間検索数が「100以上」あるキーワードに対して行います。

 『キーワードアドバイスツール欄』の数値が「100未満」のキーワードは、「―」(全角のダッシュ)を『ユーザーABC分析欄』に記入してください。

評価ニーズとサイト内容の一致度
A ユーザーのニーズと自社サイトの内容が完全に一致していると考えられる
B ユーザーのニーズと自社サイトの内容が大部分は一致していると考えられる
C ユーザーのニーズと自社サイトの内容があまり一致していないと考えられる
購買率の調査未実施

<ユーザーABC分析表>

 購買率の評価が難しいキーワードは、キーワードアドバイスツール(以下KAT)の検索結果が参考になります。KATでキーワードを検索すると、そのキーワードを含む複数語検索のキーワードも同時に表示されます。1語で検索して満足の行く結果が得られなかった場合、他の絞込みキーワードを追加して2語で検索する場合が多くあります。そのため、キーワードアドバイスツールの検索結果で紹介されるand検索のパターンの中には、1語で検索した結果画面SERPSに満足がいかずに検索しなおしているユーザーの再検索を含んでいることが予想されます。

 そう考えると、and検索のパターンや回数が多い場合はそれだけ1語での検索結果画面に対して満足度が低く、検索はしたが訪問はしていないというユーザーの検索シナリオが予想されるのです。そのため、複数語検索のバリエーションと検索回数から、1語検索の検索結果に対する満足度、そして満足したことによる訪問率の高さが想像できます。これらの情報を参考にして、購買率を予測して下さい。

 具体的に、Yahoo登録の代行や、Yahooからのアクセス対策をサービスとして行っているサイトを例にとって考えてみましょう。(http://www.yahoolisting.jp/

 「Yahoo」というキーワードをKATで検索すると、図<KAT画面1>のようにたくさんの複数語検索の結果が表示されます。複数語検索の内容は分散していて、Yahooでのアクセス対策を目的としている複数語検索も見当たりません。そのため、「Yahoo」というキーワードは、Yahooでのアクセス対策を求めているユーザーが検索するキーワードとは考えられません。ユーザーニーズとサイト内容との一致度は薄く、C評価となります。

  <KAT画面1>

 では「Yahoo登録」というキーワードはどうでしょうか。複数語検索の内容をみると、Yahooカテゴリへのサイト登録を目的とした検索キーワードが並んでいます。属性の分散が少ないので、「Yahoo登録」というキーワードで検索するユーザーの多くは、Yahooカテゴリへの登録を求めているユーザーだと考えられます。そのためユーザーニーズと該当サイトの内容は一致し、A評価となります。

  <KAT画面2>

 以上のように、キーワードから推測されるユーザーニーズと自社サイトの内容がどれだけ一致しているか分析し、購買率の指標として活用します。


  <ユーザーABC分析記入例>

【step.5】ターゲットキーワード候補の選定

 人気度・競合度・購買率の分析が終わったら、いよいよ効果的なキーワードの選定を行います。まず競合度、購買率の点からキーワードの有効度を判定し、対策を行うターゲットキーワードの候補を選びます。

『競合ABC分析欄』が「A」であり、『ユーザーABC分析欄』も「A」であるキーワードは、『ターゲット候補』欄に「◎」を記入してください。
『競合ABC分析欄』が「A」であり、『ユーザーABC分析欄』が「B」であるキーワードは、『ターゲット候補』欄に「○」を記入してください。
『競合ABC分析欄』が「B」であり、『ユーザーABC分析欄』が「A」であるキーワードは、『ターゲット候補』欄に「○」を記入してください
「◎」もしくは「○」のついたキーワードが、有効度の高い対策キーワードの候補です。


  <ターゲット候補入力例>

【step.6】ターゲットキーワードの決定

 最後に人気度を加味して、ターゲット候補の中から、対策を行う最終的なターゲットキーワードを選びます。

 オートフィルタを使用して、『ターゲット候補欄』に「◎」もしくは「○」が記載されているキーワードだけ表示し、『キーワードアドバイスツール欄』にカーソルを合わせ、降順に並べ替えます。

 基本的には『ターゲット候補欄』が「◎」のキーワードで、最も検索数の多いものを最終的に対策を行うターゲットキーワードにして、『ターゲット欄』に「○」を記入します。
 ただし『ターゲット候補欄』が「◎」のキーワードの検索数が、他のターゲット候補キーワードと比べあまりに少ない場合は、『ターゲット候補欄』が「○」のキーワードの中から、検索数の多いものをターゲットキーワードにします。


  <ターゲットキーワードの決定記入例>

 以上の作業により、キーワード有効度調査(簡略版)は完成です。選定したキーワードで、SEOを行うことで飛躍的な売上・利益の向上がもたらされます。ぜひ実践して、その効果を実感してください。

※今回ご紹介したキーワード調査は、SEOのノウハウが豊富でない方でもキーワード選定作業が行えるように、当社で行っているキーワード有効度調査の手法を簡略化してご紹介しています。そのため通常のキーワード有効度調査と比較して、キーワード選定の精度が低くなっております。ご了承ください。

著者プロフィール

権 成俊
名前 権 成俊(ごん なるとし) info[アットマーク]gonweb.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ゴンウェブコンサルティング
サイト http://www.gonweb.co.jp/

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