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キーワード有効度調査

2006年10月06日 09時00分更新

文●権 成俊/株式会社ゴンウェブコンサルティング 代表取締役

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 これまでの5回のコラムでSEOを行う上でキーワードの選択が重要であること、そしてキーワードを選ぶにはその競合度、人気度、そしてそのSERP(Search Engine Result Page:検索(サーチ)エンジンの検索結果を表示するページ)から予想される訪問率が重要であることをお話してまいりました。当社ではこれらの一連の調査、検討を「キーワード有効度調査」という方法で行っています。

 キーワード有効度調査は以下の手順で行います。

  1. キーワードのリストアップ
  2. 人気度調査
  3. 競合度調査
  4. 訪問率調査
  5. 購買率調査(購買率はキーワードとサイトの内容の一致度から判断)

 キーワード有効度調査を行うことで、単純に検索回数の多いキーワードを選ぶのではなく、より訪問者が多く、購買率も高いキーワードで、確実な上位表示が可能なのです。

 また、SEOには最適では無いと判断したキーワードでも、Overtureやadwordsのリスティング広告に利用していくことが出来ます。単純に残ったキーワードを全て広告に利用することも可能ですし、その中でも特にSERPs(Search Engine ResultsPages)満足度が高いキーワードはそれだけSERPsをじっくりと検討されるため、広告からの訪問率も高い傾向があります。単に検索数だけでみるとそれほど人気があると思えないキーワードでも、訪問数で考えると大きなボリュームになる可能性があるのです。そのようなキーワードに対しては専用のランディングページを用意してLPO(Landing Page Optimization)を行っていくことも有効です。

 通常、この調査は適用サイトの設計の段階で行います。事前にSEOのターゲットキーワードを決定することによって、よりそのキーワードで上位表示しやすい構造でサイトを設計したり、そのキーワードでサイトを訪問する方に対してより魅力的なサイト設計を行うことが出来るからです。サイトの設計、制作後にSEOを検討する方が多いですが、プロフェッショナルの手順としては通常サイトの設計、制作の前にSEOの方針を決めておきます。これは、本格的なSEOを行う場合、ページを追加したり、統合、削除したり、サイトの構造を変更したり、と大幅なサイト修正が必要になることが多いからです。

 極端な場合、これまで中華料理の食材を扱っていたサイトがアクセス対策を重視してピータン専門サイトと開設したり、各種フランスワインを扱っていたサイトがピノノワール種のワインのみをあつかうなどの戦略も可能です。このあたりの設計は調査、評価のスキルと実際にSEOで上位表示するスキルが無いと難しいところですが、上手く行けばより少ないコストでより大きな売り上げを上げていくことも可能です。

 つまり、キーワード有効度調査とは、単なるキーワード選択の手法ではなく、検索エンジンを通したネット環境調査の手法なのです。これまでインターネットは無限大のニーズが埋もれた海であり、ここで商売を成功させればマーケットの規模は無限大とみなす考え方が主流でした。しかし、インターネットビジネスのマーケットが成熟し、どんなジャンルでも多くの競合サイトが乱立しています。この状況では、リアルビジネスのマーケティングと同じように、まずはマーケット規模などの環境調査を行う必要があるのです。その一つ手法がキーワード有効度調査なのです。

著者プロフィール

権 成俊
名前 権 成俊(ごん なるとし) info[アットマーク]gonweb.co.jp
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ゴンウェブコンサルティング
サイト http://www.gonweb.co.jp/

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