ようやく初音ミクZ4のターンが来た!
予選での基準タイム不足により、決勝進出が危ぶまれた初音ミクZだが、朝のフリー走行で菊地選手、田ヶ原選手共に基準タイムをクリアし、無事に決勝へ出場できることになった。
予選が通過できずに嘆願書提出、朝のフリー走行は雨は降っていないものの路面はウェットと、ここまでは何から何まで去年の最終戦富士と同じシチュエーション。それだけに「まだ何かあるのでは?」とチームスタッフも緊張を隠せない。
しかし、ついにグリッドスタートである! チーム一同、このシーンをどんなに待ち望んだことか。去年の鈴鹿は出場できず、特別にグリッドに並べさせてもらっただけ。もてぎではエンジンブロー、富士ではフリー走行で基準タイムをクリアしたものの、ホワイトラインカットでピットスタートのペナルティと、実は他のマシンと共に並んでスタートしたことが1度もなかったのである。間違いなく、チームと初音ミクZ4は着実に前進している。
フリー走行中は止んでいた雨も、決勝スタート前に降り始め、セーフティーカースタートとなった。2周の先導車付き走行のあと、3周目からそのままスタート! 1コーナーでいきなり去年のチャンピオン「MOTUL AUTECH GT-R」と「PETRONAS TOM'S SC430」が接触し、両車ともコースアウト。「あ~っと接触ー! いきなり接触ー!」と叫びたくなる波乱の幕開けであった。
そんな上位陣の混戦を尻目に、我らが初音ミクZ4はしんがりを走る。いつもは菊地選手がスターティングドライバーだが、今回は田ヶ原選手からスタート。スタート前に菊地選手は「もうこれ以上、順位は下がりようがないからどれだけ上位に行けるか、そしてクルマを壊さずにゴールまで運ぶことが目標」とコメント。田ヶ原選手も菊地選手にバトンを渡すため、ギリギリまで安全マージンを削りつつも、無理をしないドライビングで周回する。
だが、天候は豪雨になり、路面はヘビーウェット。深溝のレインタイヤを履いているとはいえ、まるで氷の上を滑りながら走っているようだ。5周目に田ヶ原選手のベストラップ「1分52秒921」を叩き出すも、ついに6周目、田ヶ原選手が痛恨のスピンを喫する。しかし、周りに他のマシンがいなかったのですぐにコースに復帰することができた。その後もレースはスピンやコースオフ、接触などで荒れに荒れたが、初音ミクZ4は淡々と周回。もうすぐドライバー交代のためピットインという34周目に、再びスピン。しかもコースオフし、グラベルにスタックしてしまったが、すぐにオフィシャルの手によって救出され、コースに戻った。幸い、どこも壊れてないようで、そのまま菊地選手にバトンタッチした。「完全に僕のシフトミスです。うっかりブレーキを使っちゃったんです。そしたらクルっと回っちゃって」と、2回のスピンの原因を田ヶ原選手は語ってくれた。
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