いま最も人気のあるデジタル機器のひとつに“デジタルオーディオプレーヤー”がある。カテゴリーの代名詞となるのは“iPod”だが、AVメーカーを中心に各社が力を入れている製品であり、国内だけでなく、韓国、香港、シンガポールなどのメーカーも積極的に製品投入を行なっている。ここでは、デジタルオーディオプレーヤーの現状をASCII24の注目記事からまとめるとともにASCII24読者に対するアンケート、11月に登場したソニー(株)と松下電器産業(株)の新製品など編集部注目の新製品5機種のショートレビューを交えながら、浮き彫りにしていこう。
すでに7割超が所有──シリコンに人気が移行!?
アンケートは11月26日から12月2日まで実施。デジタルオーディオプレーヤーに関するアンケートは今年5月にも実施しているが、ここではその結果も考慮にいれながら、ASCII24読者がデジタルオーディオプレーヤーに対して、どのような意見を持っているかをレポートしていこう。なお、アンケートの有効回答数は587件で、男性比率は全体の94.5%。年齢層は30代後半(19.5%)が核で、20~40代が全体の84.5%を占める。職業としては、コンピュータ関連の専門・技術職が24.2%、コンピュータ以外の分野の専門・技術職が16.9%、学生が9.4%となっている。
回答者のうち“iPod”などのデジタルオーディオプレーヤーを所有している割合は72.4%。5月の調査(HDD型33.5%、フラッシュ内蔵型30.7%)に比較すると、フラッシュ内蔵型の所有率が高まっており、全体の34.5%がHDD内蔵型、41.3%がフラッシュ内蔵型を所有していると回答した。市場でもフラッシュ内蔵型が伸びているが、その理由としてはHDDタイプに比べて単価が安い点や本体サイズがコンパクトであること、4GBの製品も登場するなど容量面の不満が軽減されたことなどが関係していると思われる。
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デジタルオーディオプレーヤーを使っていますか? | デジタルオーディオプレーヤーの種類は? |
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記録容量は? | お持ちのブランドは? |
ブランドとしては、アップルコンピュータが30.1%で首位。これにソニーの18.5%、クリエイティブメディアの11.2%、(市場からは撤退した)リオジャパンの7.1%、アイリバーの6.4%が続く。アップルが強いのは確かだが、それ以外のブランドも健闘している。
デジタルオーディオプレーヤーに重視するのは
サイズ、バッテリー、記録容量
デジタルオーディオプレーヤーを購入する際に重視するのは、サイズ(47.1%)、バッテリー駆動時間(44.9%)、記録容量(43.9%)が4割以上。それに低価格(32.7%)、高音質(32.1%)、操作性(30.8%)が続く。逆に音楽プレーヤー以外の付加機能に関するニーズや関心は低く、カラー液晶(8.1%)、動画再生(5.1%)、ボイスメモ(3.2%)、ダイレクト録音(2.0%)などといずれも一桁台の低いポイントとなった。
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購入意欲は? | 購入時に重視するポイントは? |
使用しているプレーヤーの満足点と不満点も自由回答で記入してもらったが、「データ転送速度」「データベース構築や起動の遅さ」「ソフトや本体ファームウェアの安定性(フリーズしやすいなど)」など、ソフトウェアや品質管理の不備が複数社の製品で指摘されていた。機能面での要望として「ギャップレス再生やロスレス圧縮への対応」「Macで使用できるようにしてほしい」といったものも目立つ。
購入後の満足度の高さではiPodの評価が非常に高い印象を持ったが、FLACやOggVorbisといったコーデックに対応するリオ ジャパンの製品、豊富な音質カスタマイズが可能な「iAudio M3」(バーテックスリンク)、高容量で低価格で話題になった「NOMAD Muvo2」(クリエイティブメディア)などもユーザーの評価が高い製品だった。
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購入時の予算は? | 欲しい容量は? |
なお、ユーザーが多いiPodに限った要望では「バッテリーの持ちが悪い」と「傷が目立ちやすいデザイン」を指摘するもの、「トップメニューに1プッシュで戻れるボタンが欲しい」「日本語の曲名やアーチスト名が50音順に並ばない」「曲数が増えるとホイールでは厳しい」「聞かない曲をiPod側で削除したい」といった操作性に関する意見が目立った。全体のトーンとしてハード、ソフト、配信サービスの統一感の高さが他社にない特徴として評価されていたが、一部にこれらが1社に独占されてしまうことを危惧する声もあった。
パソコンで音楽を聴いている読者は実に83.9%
家でパソコンを使って音楽を聴いている人は実に83.9%にのぼり、利用していないの15.1%を大きく上回る数字となっている。上述したデジタルオーディオプレーヤーの所有率は72.4%なので、パソコンのみで音楽を聴いている層も一部存在することが分かる。
現在のデジタルオーディオプレーヤーはパソコンで作成したライブラリーの一部を持ち運ぶことに主眼を置いて開発されているが、パソコンなしで使えることをコンセプトに開発された製品も登場してきている。
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家で音楽を聴く際にパソコンを利用していますか? | パソコンレスで管理したいかどうか |
このあたりの製品に対して読者がどういった意見を持っているかを聞いてみた。結果は「興味がない/パソコンで集中管理したい」が全体の58%。「ダイレクト録音したい」と「HDD内蔵型コンポなどを利用したい」を合わせた数字が12.9%。「どちらともいえない」が26.2%だった。
“パソコン集中管理派”の主張としては「曲情報などの編集が容易」(大画面でキーボードが利用できる)、「マウスで簡単に再生や停止の操作が行なえる」「保存形式やコーデックにこだわれる」「集中管理できる」「家電では著作権の縛りやデータのバックアップに不安」「パソコン中心の生活を送っているため、違和感がない」といった意見があった。対する“ノンPC派”の主張は「音楽を聴くためだけにパソコンを起動するのは面倒」「ノイズの影響やファンの風切り音など音質面で劣る」といった意見が多かった。
自由回答の結果は下記のとおり。
- パソコン管理派の意見
- 特定のメーカーの機能に縛られたくない
- コンポ型ではたぶんそのメーカー固有の「縛り」が何かあるはず
- パソコンはおそらく長期にわたり継続するが、プレーヤは機種として存続して行かなくなるから
- HDD内にまとめて保存しておくのが一番データが散逸しなくていい
- パソコンを利用する事に抵抗がない。常時起動しているから
- 専用機では買い直したら入れ直し。バックアップもとれないでは話になりません
- 専用機だからといって,現状ではPCよりも管理しやすいとはとても思えない
- これ以上コンセントを用意したくない。つなぎ変えたくない
- 現状では、値段に見合わない
- MIDIのストックがかなりある。これを他のメディアでも聞きたい
- ノンPC派の意見
- 音楽を聴くのにパソコンをつける行為自体が大げさで、そこまでして聞こうとは思わない
- 音質を重視するので、現状ではパソコンはあくまで保存場所。聞くときはCD-Rなどに焼いている
- パソコンはノイズが多いので、オーディオ系の品質を期待していない。ファンの音もうるさい
- パソコンがすぐに使える環境にない
- 起動に時間がかかる
- ヨメさんにも使えるようにしたいから
- 子供にiPodなどを買っても親のPCを経由しないとCDから転送ができないから
- 消費電力が、パソコンよりも少ないため
- 音楽はアナログ(レコード)での再生が主でCDを利用することはない
- パソコンはラジオ放送のエアチェックが苦手だから。松下が出しているようなミニコンポが欲しい
- せっかく管理しても聞くものは、お気に入りの一部だけで、ライブラリーを作る必要性をそれほど感じない
